書籍一覧 新刊
玉木一兵 小説選集
『敗者の空 ―沖縄の精神医療の現場から』
本書は、今まで執筆してきた小説の中から精神医療に関わる十五編を選び加筆修正したもので、玉木氏の短編小説の代表作ともいえる小説選集だ。この選集には沖縄が日本に復帰した一九七〇年、八〇年代以降に「人間とは一体いかに他者と共に存在し得るか」という激しい問いと、その回答に迫る多様な存在者たちを包み込む精神性が込められている。(鈴木比佐雄 解説より)
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解説:鈴木比佐雄 |
A5判/320頁/並製本 ISBN978-4-86435-514-8 C0093 |
定価:2,200円(税込) |
吉田正人エッセイ・創作集
『共生の力学 ―能力主義に抗して』
ヨーロッパで「ワークシェアリング」という考え方が一九七〇年代に生まれたが、その考え方を吉田氏は障害者の人権や労働の権利に応用し、当時としては画期的な考え方だったに違いない。「共生の力学」などを今読んでも決して古びていないのは、吉田氏の論考に時代を超えていく普遍的な課題を見通す透視力があったからだろう。逆に言えば時代が吉田氏の論考にようやく追いついてきたのだろう。冒頭は次のように始まる。(鈴木比佐雄 解説より)(鈴木比佐雄 解説より)
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解説:鈴木比佐雄 |
A5判/192頁/並製本 ISBN978-4-86435-502-4 C0095 |
定価:1,980円(税込) |
林博通
『『万葉集』を歌う ―名歌一三四撰―』
林博通氏は、二十七歳の時に謎であった大津宮の所在地の遺構を発見し、滋賀県立大学で長年教鞭を執っていた考古学者である。当時五つの候補地の説があった中から錦織説を実証的に決着させた方だ。そんな林氏には比良たかしの名で『万葉集』の和歌を楽曲にするギター奏者としてのもう一つの顔があった。(鈴木比佐雄 解説より)
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解説:鈴木比佐雄 |
A5判/224頁/並製本 ISBN978-4-86435-512-4 C0095 |
定価:1,980円(税込) |
平敷武蕉 句集
『島中の修羅』
平敷氏にとって、本著は初めての句集である。平敷武蕉という文学者が論理的散文では表しえなかった沖縄の混沌が、俳句という一行の詩に結晶している。そして他者の創作物を経由する評論ではなく、より直接的に平敷氏個人から湧き出る表現が俳句によって試みられている。(鈴木光影 解説より)
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解説:鈴木光影 |
46判/184頁/並製本 ISBN978-4-86435-518-6 C0092 |
定価:1,650円(税込) |
淺山泰美 詩集
『ノクターンのかなたに』
A5変型判/160頁/上製本 ISBN978-4-86435-513-1 C0092 |
定価:2,200円(税込) |
小島まち子
『残照 ―義父母を介護・看取った愛しみの日々』
食器を洗おうと鞠子が席を立つと「そんなことすんなよ。それより新聞でも読め」と英輔はいつも気を使わせないようにし、その才能を信じていた。Ⅱ章では美代子の「鞠子さん、人間はね、生まれてから死ぬまで、ほんとに一人きりなの。自分の力で生き抜いて、そして死ぬ時も一人で逝くしかできないでしょ」という口癖を悲しみの底から掬い上げる。このような気の強い美代子と穏やかな英輔から信頼されて、二人の愛しみの言葉を残すことが使命だと感じたのだろう。家族の在り方や終末期医療などの様々な今日的な問題を孕みながらも、人間がいかにより良く生きるかというテーマにした本書を新型コロナ禍で苦悩する多くの人びとに読んで欲しい(鈴木比佐雄 解説より)
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解説:鈴木比佐雄 |
46判/160頁/上製本 ISBN978-4-86435-519-3 C0095 |
定価:1,980円(税込) |
若松丈太郎
『若松丈太郎著作集 第三巻 評論・エッセイ』
1945年を自我形成の初期に体験した若松さんは「教科書墨塗り世代」を自認する。ファシズムの権威の虚妄と価値観の転換を目の当たりにして、権威主義的なものを頑ななまでに嫌い、わが国の戦後民主主義の象徴である現憲法の申し子的存在でもあった。(前田新 解説文より)
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解説:前田新 |
A5判/448頁/上製本 ISBN978-4-86435-517-9 C0395 |
定価:3,300円(税込) |
若松丈太郎
『若松丈太郎著作集 第二巻 極端粘り族の系譜 ―相馬地方と近現代文学』
若松丈太郎氏は、埴谷雄高が父祖の地を同じくする埴谷と島尾敏雄と荒正人のことを「精神の異常性」でもあり「東北の鈍重性」とも言える「或る種の哲人ふう徹底性をもった永劫へ挑戦する根気強さ」を抱えていることから「極端粘り族」と名付けたことに対して、その「徹底した根気強さ」を自分を含めた蝦夷の末裔とも言える東北人の根底にある精神の特徴であると考えていった。(鈴木比佐雄 解説文より)
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解説:鈴木比佐雄 |
A5判/336頁/上製本 ISBN978-4-86435-516-2 C0395 |
定価:3,300円(税込) |
若松丈太郎
『若松丈太郎著作集 第一巻 全詩集』
〈核災〉はその土地に暮らす人々の生活を奪い、その土地と不可分で土着的な文化を破壊する恐ろしい災害である。そして、原子力村の強大な力とその権力の深い闇の内実も依然として曖昧なままである。わたしたちの文明の「夜の森」の深い闇をどこまでも凝視しつづけた詩人として、若松丈太郎さんはわたしたちの記憶にこれからもしっかりと刻まれていくことだろう。(齋藤貢 解説文より)
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解説:齋藤貢 |
A5判/480頁/上製本 ISBN978-4-86435-515-5 C0392 |
定価:4,400円(税込) |
江藤文子 句集
『しづかなる森』
文子さんの句には、世界に向ける根源的に明るい眼差しがある。そしてそれを感性豊かに掬い上げて俳句にしようという意欲にあふれている。桔槹創刊百周年の年に、長い俳句歴をまとめた第一句集を出版されることは慶賀の至りである。「しづかなる森」の木漏れ日のような句群は、豊かな音楽を奏でている。(永瀬十悟 跋より)
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序句:森川光郎/跋:永瀬十悟 |
46判/224頁/上製本 ISBN978-4-86435-504-9 C0092 |
定価:2,200円(税込) |
上田玲子 句集
『母あかり』
〈盆灯籠消さずに眠る母あかり〉
母上を亡くされて間もない頃の句であろうか。盆にはるばる還ってくる母の精霊を迎えるために灯をともされた。秋草などが美しく描かれている灯籠を見ていると、母と暮らした日々が走馬灯のようによみがえってきた。(能村研三 序より)
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序:能村研三/跋:森岡正作 |
46判/224頁/上製本 ISBN978-4-86435-492-9 C0092 |
定価:2,200円(税込) |
堀田京子 詩集
『吾亦紅』
堀田氏は「吾亦紅」の「花言葉」に前向きに生きる意味を宿しているかのようだ。我もまたこの世で紅に染まる頰を持つ一人の「可憐な存在」であり、「自立心」を抱えて秋の野に佇み、前向きに「挑戦する存在」の姿を立ち上らせてくれる。そんな詩「吾亦紅」は「可憐」「自立」「挑戦」などの新たな「花言葉」の意味を私たちに抱かせる詩と言えるだろう。(鈴木比佐雄 解説より)
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解説:鈴木比佐雄 |
46判/320頁/並製本 ISBN978-4-86435-511-7 C0092 |
定価:1,980円(税込) |
天瀬裕康 混成詩
『麗しの福島よ―俳句・短歌・漢詩・自由詩で3・11から10年を詠む』
天瀬氏は、二〇二一年四月二十一日に他界した若松丈太郎氏が一九七〇年から半世紀も〈核発電〉や〈核災〉の危険性に警鐘を鳴らしていたことに敬意を払い、その言葉を詩歌の中に記した。さらにそれを発展させて詩の中で「核兵器禁止条約」の次には〈「核発電禁止条約を」との想い〉を構想している。(鈴木比佐雄 解説より)
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A5判/160頁/並製本 ISBN978-4-86435-509-4 C0092 |
定価:1,650円(税込) |
髙橋正人
『高校生のための思索ノート ~アンソロジーで紡ぐ思索の旅~』
ふくしま創生の物語が、今、始まる。学ぶことこそが、未来を創造する。学ぶことによって私たちは未来とつながることができる。震災にも負けず学ぶ瞳があった。避難所となった多くの体育館で肩を寄せ合いながら一冊の書物をくいいるように見つめていた小学生がいた。被災後の厳しい環境の中で、寒さに凍えながらも、大切にしていた教科書を心の糧として学び続ける高校生がいた。ふくしまの子どもたちにとって、学ぶことは、生きることであった。(あとがきより)
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A5判/80頁/並製本 ISBN978-4-86435-503-2 C0337 |
定価:1,100円(税込) |
坂井一則 詩集
『夢の途中』
坂井氏は生の根底を問うテーマを言葉に刻んだ詩集を構想して、時に数行を書くのでも数時間もかかるほどの労力を振り絞って、今回の三十三の詩篇を書き上げた。闘病という文字通り生死の境をさ迷う病と闘いながら、今回の詩集が誕生したことは、私には坂井氏の身体中には詩的精神の血液が流れて、その力によって脳の患部をなだめて逆に脳に新鮮な血液を巡らし、再生や癒しを促している奇跡的行為がなされていたような思いがした。(鈴木比佐雄 解説より)
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解説:鈴木比佐雄 |
A5判/128頁/並製本 ISBN978-4-86435-478-3 C0092 |
定価:1,980円(税込) |
加賀乙彦 散文詩集
『虚無から魂の洞察へ ―長編小説『宣告』『湿原』抄』
加賀乙彦氏は他家雄の内面を描く際にキリスト教の神父が避けていた「虚無」に向き合いその問いを深めていく。それはある意味でニーチェのニヒリズムの哲学への激烈な問いと重なっているかのようだ。しかし加賀氏は神の死ではなく神の再生を熱烈に「宣告」しようと願ったのだろう。国家は死刑囚に「宣告」をして死刑を継続しているが、他家雄を含めた死刑囚の悲劇的な経験から学ぶべきことは数多くあると告げる。(鈴木比佐雄 解説より)
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解説:鈴木比佐雄/宮川達二 |
46判/320頁/並製本 ISBN978-4-86435-478-3 C0092 |
定価:1,980円(税込) |
甲斐洋子 童話集
『すみれからの手紙』
この世界には、とてもおもしろい女の子がいます。この本のⅠ章の主人公のさおりちゃんです。さおりちゃんは病気になって、家でひらがなのつみきで「さ」「か」「な」とつみかさねます。すると部屋中が海の中になって、さおりちゃんはワカメ、サザエ、カニ、フグなどのいろんな魚たちと泳ぎはじめます。(鈴木比佐雄 解説より)
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解説:鈴木比佐雄 |
46判/128頁/並製本 ISBN978-4-86435-500-1 C8093 |
定価:1,980円(税込) |
髙橋玉舟 遺句集
『初がすみ』
《そこぬけの越後平野の刈田晴》越後の風土色の濃い温厚な人柄がにじむあたたかい俳句である。……玉舟さんの居るところにはいつも人が集まり、楽しい話し声がして、誰からも好まれたお人柄だったと思い起こされる。(村上喜代子 序文より)
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序:村上喜代子(いには主宰) |
46判/208頁/並製本 ISBN978-4-86435-499-8 C0092 |
定価:2,200円(税込) |
黄輝光一
『告白~よみがえれ魂~ 増補新装版』
黄輝氏の小説の特徴はとても軽やかで読者を引き込む力がある。それは今をよりよく生きるために、近未来を眺めながら、苦渋に満ちた危機的現在を踏み越えて、踊りだそうとするかのような瞬発力があり、逆境の中でも希望を生み出す文体なのだ。(鈴木比佐雄 栞解説より)
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栞解説:鈴木比佐雄 |
46判/256頁/並製本 ISBN978-4-86435-495-0 C0093 |
定価:1,620円(税込) |
尾野寛明・中村香菜子・大美光代
『わたしをつくるまちづくり 地域をマジメに遊ぶ実践者たち』
《1人のカリスマより100人の普通の人!?》
何もカッコいい行動を起こす必要もない。ちょっとしたおせっかい、そして、せっかくだから楽しんでやろう。そんなところからうっかり広がっていく。それがまちづくりなのだと思うし、だから大体のことはまちづくりなのだと思います。(尾野寛明 本文より)
まるで世界旅行をした気分でした。…ここには私の話に耳を傾けてくれる人がいる。仕事をしてきた人と同じだけ、私の子育て活動のキャリアにも自信を持ちたいと思いました。―中村香菜子(本文より)
(地域課題という強敵に立ち向かう)皆さんの共通点は、呆れるくらいに諦めないことと、しなやかなこと。それが地域というフィールドで活動する人たちの姿でした。―大美光代(本文より)
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46判/256頁/並製本 ISBN978-4-86435-491-2 C0036 |
定価:1,980円(税込) |