書籍一覧 新刊
水崎野里子歌集
『全山紅葉』
水崎野里子氏の「全山紅葉」には、「赤子の手」、「神の沈黙」、「負傷せし若き兵士」などの比喩を何重にも重ねた想像力を喚起させる言葉があり、きっと叙景でありながら、後世の子どもたちを慈しみ、争いの不毛さを伝えるような自らの思想・宗教心を込めているように、私には読み取れる。(鈴木比佐雄・解説文より)
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解説:座馬寛彦/鈴木比佐雄 |
四六判/176頁/並製本 ISBN978-4-86435-582-7 C0092 |
定価:1,760円(税込) |

岡田美幸歌集
『グロリオサの祈り』
〈蜩がかななななと鳴いている夏の終わりのタイマーとして〉〈たましいの焦げる音だと思いつつ遠くの蟬の鳴き声を聞く〉鮮烈な提示である。蜩を「夏の終わりのタイマー」だと即座に判定する、或いは蟬の鳴き声を「たましいの焦げる音」と瞬く間に断定して留める創作反応の速さが際立つ。(依田仁美・解説文より)
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解説:依田仁美/鈴木比佐雄 |
四六判/192頁/並製本 ISBN978-4-86435-584-1 C0092 |
定価:1,760円(税込) |

鈴木正一詩集・評論集
『あなたの遺言 ―わが浪江町の叫び』
鈴木正一氏は故郷が放射性物質によってどのように変わってしまったかを、自らの感受性を通して語っている。それは詩でしか書けないことが確かに存在していて、その独特な表現を紹介したい。例えば詩「棄民の郷愁」では、「ふるさとのど真ん中で/郷愁に駆られるとは……/〈核災棄民〉の 摩訶不思議」(鈴木比佐雄・解説文より)
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解説:鈴木比佐雄 |
四六判/224頁/上製本 ISBN978-4-86435-583-4 C0092 |
定価:2,200円(税込) |

趙南哲詩集と散文
『生きる死の果てに』
趙氏は、帝国主義的な意志を持った大国ロシアが、固有の歴史と文化と豊かな国土を持つウクライナをこの地上から失くして併合しようとする戦争に対して、決して許してはならないと立ち上がるウクライナの人びとの、一年半近くの壮絶な戦いを担った精神の在りかを、この二四篇で辿り書き残した。(鈴木比佐雄・解説文より)
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解説:鈴木比佐雄 |
四六判/256頁/上製本 ISBN978-4-86435-580-3 C00952 |
定価:2,200円(税込) |

生井利幸
『賢者となる言葉 三〇〇篇』
本書の三〇〇篇の特徴は、フランスの哲学者のパスカル『パンセ』やアラン『幸福論』のような名言・警句・箴言、ドイツの哲学者のニーチェ『人間的、あまりに人間的』のようなアフォリズム(aphorism、啓示的で真実を暗示する言葉)などと言われる、人間存在の本質を洞察する突き詰めた表現方法である。生井氏は、多くの若き読者に自らの存在や他者の存在を深く考え思索して、より良き人生を生きて欲しいと願って本書をまとめたのだろう。(鈴木比佐雄・解説文より)
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解説:鈴木比佐雄 |
四六判/192頁/上製本 ISBN978-4-86435-578-0 C0095 |
定価:2,200円(税込) |

天瀬裕康詩集
『閃光から明日への想い―我がヒロシマ年代記 My Hiroshima Chronicle』
天瀬裕康氏は、被爆者の責任として〈「核発電禁止条約を」との想い〉を抱くほど透徹した見識を持ち続けている方である。今回の詩集においては、自らの体験、広島で亡くなった人びとを想い、後世の人びとに向けて、広島は原爆に翻弄されたが、それでも立ち上がってきた広島の文学者たちの不屈の精神を、代弁するかのように叙事詩の形式をとって表現されている。(鈴木比佐雄・解説文より)
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解説:鈴木比佐雄 |
A5判/192頁/並製本 ISBN978-4-86435-577-3 C0092 |
定価:1,760円(税込) |

佐野玲子詩集
『天地のひとかけら』
佐野玲子氏は、人類及び「ヒト社会」が、本当に他の生きものたちへの畏敬の念を取り戻し、心から「他の生きものたちへ恩返しをする時代」を作り出せるかを決して楽観視していない。けれども少なくとも自分の心や精神で検証し、「生きものとしての真実」の言葉を奏でて、それに共感する人びとが連帯し合い、この「ありえない」破滅的な情況を変えたいと願ってこの詩集を刊行したのだろう。(鈴木比佐雄・解説文より)
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A5判/160頁/上製本 ISBN978-4-86435-579-7 C0092 |
定価:2,200円(税込) |

藤田博詩集
『億万の聖霊よ』
藤田博氏の詩篇には、聖なるものに促された純粋な言葉が紙面で奏でられていて、静かに内面の奥から湧き上がってくる音楽性を感ずる。と同時にその詩的言語が紡ぎだすものは、命あるものの切実な光景を発見し、それを色彩豊かで躍動的なイメージに展開させてくれる。
(鈴木比佐雄・解説文より)
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解説:鈴木比佐雄 |
B5変判/192頁/上製本 ISBN978-4-86435-565-0 C0092 |
定価:2,750円(税込) |

大関博美
『極限状況を刻む俳句 ソ連抑留者・満州引揚げ者の証言に学ぶ』
父母は畑仕事や酪農に休む暇なく働く日々で、幼い私は、邪魔にならぬように留守番をして過ごすことが多かった。さしたる遊びも無く、テレビに飽きると家の中を探索した。ある時、神棚の脇の方に父の物らしい不思議な帽子を見つけて遊んでいたら、母に「それはおとうさんの大切にしている帽子だから、そっとしておきなさいね」と遊ぶことを禁じられたことが心に刻まれた。/シベリアの父を語らぬ防寒帽 博美 (本文より)
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解説:鈴木比佐雄 |
四六判/312頁/上製本 ISBN978-4-86435-575-9 C0095 |
定価:2,200円(税込) |

髙田正子編著
『黒田杏子俳句コレクション1 螢』
この「黒田杏子俳句コレクション」はシリーズ企画として、コールサック社から提案され、生前の師の了解を得ていたものである。膨大な句群からテーマ別に百句を抽き、解説を付す、という杏子作品のエッセンスを味わうことを目的としている。……かつての師の声に耳を澄ませるようにして、一巻ずつ丁寧に、かつスピーディに送り出していきたいと思う。(髙田正子 あとがきより)
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新書判/144頁/並製本 ISBN978-4-86435-571-1 C0392 |
定価:1,980円(税込) |

大城静子
『黒い記憶 ―戦場の摩文仁に在りし九歳の―』
実体験のリアリティーが全編にしみこみ、心ならずも読者は戦争の話に寝食を忘れる。
まさに驚愕の小説が出現した。
(芥川賞作家 又吉栄喜)
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解説:鈴木比佐雄 |
四六判/112頁/上製本 ISBN978-4-86435-569-8 C0093 |
定価:2,200円(税込) |

万里小路譲詩集
『永遠の思いやり チャーリー・ブラウンとスヌーピーと仲間たち』
『ピーナッツ』の少年少女と飼い犬との小世界が不条理な世界の中で、どこか心の聖域というかオアシスのような安らぎを与えることを、万里小路氏は二連のチャールズ・シュルツの言葉で語らせようとしている。
(鈴木比佐雄・解説文より)
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解説:鈴木比佐雄 |
四六変型/336頁/並製本 ISBN978-4-86435-570-4 C0092 |
定価:2,200円(税込) |

高畠まり子詩集・エッセイ集
『小姑気質』
当時の男性中心の社会や家族関係の中で生きていた人々は、まり子さんの「ムコいびりのうた」などのような風刺詩に対して、想像を超えた人間の本来的な観点からの指摘であり、的を射ていることもあり、眉をひそめてそっと詩集を閉じてしまったかも知れない。まり子さんの試みは、ジェンダーフリーの観点からは画期的な詩集であったと言えるだろう。
(鈴木比佐雄・解説文より)
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四六判/304頁/上製本 ISBN978-4-86435-562-9 C0092 |
定価:2,200円(税込) |

おくやまなおこ詩集
『存在の海より――四つの試みの為のエチュード』
存在の海をとおく挨拶のように
風がゆく (私らの海)
そう発する魂の震えが拡がり
波の上をゆく風となる
風まとう存在たちよ
その衣裳を 自在とせよ
―〈其の一〉―Ⅱ 「存在の海をとおく」より
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A5判/176頁/上製本 ISBN978-4-86435-567-4 C0092 |
定価:2,200円(税込) |

玉城洋子歌集
『櫛笥―母―』
玉城洋子氏の短歌の特徴は、家族詠が戦争詠になり社会詠になり、また民俗学的な神話詠にもなりうる異なる領域が、いつの間にか根底ではつながっていることだ。それらの縦横無碍に多次元構造を行き来する沖縄の精神世界が島言葉の音韻を入れながら表現されている。
(鈴木比佐雄・解説文より)
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四六判/192頁/上製本 ISBN978-4-86435-568-1 C0092 |
定価:2,200円(税込) |

鈴木比佐雄評論
『沖縄・福島・東北の先駆的構想力 ―詩的反復力Ⅵ(2016―2022)』
八重洋一郎、若松丈太郎、黒田杏子などの言葉には、過去・現在から未来を切り拓く先駆的構想力がある。
沖縄・福島・東北の痛切な民衆の記憶や地域文化を後世に語り継ぐ表現者たちの多様な言語世界を伝える。
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A5判/464頁/並製本 ISBN978-4-86435-559-9 C0095 |
定価:2,200円(税込) |

若松丈太郎英日詩集 翻訳:与那覇恵子/郡山直 監修:メーガン・クックルマン
『かなしみの土地 Land of Sorrow』
神隠しの街は地上にいっそうふえるにちがいない
私たちの神隠しはきょうかもしれない
うしろで子どもの声がした気がする
ふりむいてもだれもいない
なにかが背筋をぞくっと襲う
広場にひとり立ちつくす
―「かなしみの土地 6 神隠しされた街」より
I’m sure more cities will disappear from the earth.
Today may be the day that we disappear.
I think I hear a child’s call.
Turning, I see nobody behind me.
A chill runs down my spine.
Alone, I’m just standing still here in the plaza.
― “Land of Sorrow 6. The Town that Disappeared”
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A5判/224頁/並製本 ISBN978-4-86435-564-3 C0092 |
定価:2,200円(税込) |

髙田正子
『日々季語日和』
四六判/216頁/上製本 ISBN978-4-86435-558-2 C0095 |
定価:2,200円(税込) |

秋野沙夜子
『母の小言』
秋野沙夜子氏にとっての「小言」とは、歴史・伝統から学ぶ言葉の再発見であり、現代の風潮に流されない自己の感性や直観を信じ、しなやかに本来的なものを探求する批評精神でもある。
(鈴木比佐雄・解説文より)
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解説 鈴木比佐雄 |
四六判/96頁/並製本 ISBN978-4-86435-561-2 C0095 |
定価:1,650円(税込) |

髙橋宗司詩集
『芭蕉の背中』
「芭蕉の背中」を追って東日本大震災後の松島、石巻にまで来てみて、山形の山寺に登り、「雲の峰幾つ崩れて月の山」と月山を眺め、髙橋氏は現代の「おくのほそ道」を体感することで、自らの魂の在りかと重ねて詩に記そうと試みた。その試みには芭蕉の精神を現代に真に生かそうとする果敢な精神の在りかを感じることができる。
(鈴木比佐雄・解説文より)
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解説 鈴木比佐雄 |
A5判/160頁/上製本 ISBN978-4-86435-566-7 C0092 |
定価:2,200円(税込) |
