書籍一覧 新刊
鈴木文子詩集
『海は忘れていない』
文子氏の一章の詩篇などには、醬油樽の職人で中国戦線に従軍した兵士であった父から戦争について学び、その道義的な戦争責任が日本人の自分にもあると感じ取れる。文子氏が特攻兵士や沖縄戦や従軍慰安婦などの悲劇を背負った人びとを書き続ける理由は、父の時代を忘れないように戦争と平和の意味を問い続けていくことなのだろう。(鈴木比佐雄 解説より)
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解説:鈴木比佐雄 |
A5判/192頁/上製本 ISBN978-4-86435-445-5 C1092 |
定価:1,980円(税込) |
吉田正人詩集・省察集
『黒いピエロ 1969~2019』
詩人とは生涯を賭けて自らの詩を追求した人物に与えられる称号だろう。その中でも自己表現の追求が、同時代の民衆の思いとその感受性の解放につながっていく詩人は数少ないだろう。昨年亡くなった吉田正人氏は、そんな本来的な多様な人間存在と人間の自由を同時に根源的に追求した詩人であったと考えられる。(鈴木比佐雄 解説より)
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解説:たなかよしゆき/鈴木比佐雄 |
A5判/512頁/上製本 ISBN978-4-86435-446-2 C1092 |
定価:3,300円(税込) |
堀田京子 詩文集
『おぼえていますか』
堀田氏の詩の魅力は、その発語の源の童心に立ち戻らせてくれる、飾らない精神性が込められていることだ。この世界が存在することの奇跡を感じ、そのただ中に誕生させてくれた父母の愛や命そのものに促されて、存在することの感謝の思いに貫かれていることだ。(鈴木比佐雄 解説より)
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46判/248頁/並製本 ISBN978-4-86435-442-4 C1092 |
定価:1,650円(税込) |
平松伴子 小説集
『従軍看護婦』
日赤で養成された看護婦たちには、卒業後二十年間(後に減じられたが)もの応召義務が課せられ、軍隊と同じ「赤紙」によって召集されてきた。当時の新聞には、武装した看護婦の大きな写真と共に、「男は兵隊・女は従軍看護婦!」の記事が躍り、若者たちの心を戦地へと向かわせた。アジア太平洋戦争に従軍された「従軍看護婦」に関する小説3篇を収録。
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46判/184頁/並製本 ISBN978-4-86435-443-1 C0093 |
定価:1,650円(税込) |
アンソロジー
『アジアの多文化共生詩歌集 ―シリアからインド・香港・沖縄まで』
世界最古の古典から現在までの二七七名の作品には、荘子の言うアジアの多様で創造的な「混沌」が宿っていて、『ギルガメシュ叙事詩』、『リグ・ヴェーダ讃歌』、『詩經國風』などから始まり現在のアジアの四十八ヶ国に関わる詩歌文学が、私たちの深層で今も豊かに生きていることに気付かされるだろう。
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解説:鈴木比佐雄 |
A5判/384頁/並製本 ISBN978-4-86435-441-7 C1092 |
定価:1,980円(税込) |
福司満
『福司満全詩集 ―「藤里の歴史散歩」と朗読CD付き』
福司氏は自らの方言詩を秋田白神方言詩としたいと言い、秋田県にとどまらないで、地域の言葉を愛する全国の多様な方言詩に共感する多くの人たちに届けたいからだとはっきりと私に語った。福司氏の言葉はとても思慮深く、しかも飾ることなく本当のことを語る信頼できる方だと感じた。
仮に多くの人が生前の福司満氏と出会う機会があったならば、穏やかで落ち着いた風貌から安心感を与えられ、また温かな秋田白神方言の語り口を聞けば、とても懐かしい人に出逢った思いに駆られて、藤里町の生き字引のような見識に魅了されてしまうだろう。福司氏は、他者には優しく自分には厳しく鍛錬を重ねている求道者のような風格が感じられた。(鈴木比佐雄 解説より)
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解説:亀谷健樹/鈴木比佐雄 |
A5判/352頁/並製本 ISBN978-4-86435-436-3 C1092 |
定価:3,300円(税込) |
河野美千代 句集
『国東塔』
〈母の亡し玻璃いつぱいの鰯雲〉
河野さんは平成二十二年「沖作品」の十二月号の投句で見事に巻頭に輝いた。掲句はその時の句で、お母様を亡くされた時の句である。本当は限りなく悲しくて淋しい時に、俳句でその感情をあらわにしては、本当の悲しさが読者に伝わらない。淡々と一句に詠むほうがかえって読者の心を打つ。この句も母が今亡くなった部屋から見える風景だけを詠んでいるのが、その悲しさを増大させる。なんと美しい空に広がる鰯雲なのだろう。今旅立った母もあの美しい空に向かっているのだと思ったのだろう。(能村研三 序文より)
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序文:能村研三 跋文:田辺博充 |
46判/192頁/並製本 ISBN978-4-86435-440-0 C1092 |
定価:1,650円(税込) |
渡辺誠一郎
『俳句旅枕 みちの奥へ』
芭蕉、子規、碧梧桐、青邨、兜太などの足跡を辿り、東日本大震災後のみちのくを巡る俳句紀行。『俳句』に二年間にわたって連載した〈俳句旅枕〉の集成。(帯文より)
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46判/304頁/上製本 ISBN978-4-86435-438-7 C1095 |
定価:2,200円(税込) |
髙橋正人 評論集
『文学はいかに思考力と表現力を深化させるか―福島からの国語科教育モデルと震災時間論」
子どもたちは生まれながらにしなやかな感受性を持ち、いつしかその感受性が思考力という考える力につながり、そこには豊かな想像力も湧き立ち、ついには子どもたちの独特な表現力となって、生きる力を宿す未知の作品が生まれてくることを夢見ているのだろう。髙橋正人氏はそんな子どもたちの思考力をいかに育むかという文学教育の原理論を長年にわたって考察してきた。その試みは、感受性と論理的な思考力を二項対立のように抱いている先入観を打ち砕いてしまう。(鈴木比佐雄 帯文より))
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解説:鈴木比佐雄 |
46判/384頁/上製本 ISBN978-4-86435-437-0 C1095 |
定価:2,200円(税込) |
永山絹枝 評論集
『魂の教育者 詩人近藤益雄 ―綴方教育と障がい児教育の理想と実践』
永山絹枝氏は近藤益雄の「慈しみに溢れる詩」がどんなに価値あることかを知っており、障がい児教育に関わる方はもちろんだが、多くの人たちに真の命の尊さを感じてもらいたいとこの『魂の教育者 詩人近藤益雄』を後世の教育者や親御さんたちに向けて刊行したに違いない。(鈴木比佐雄 帯文より)
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46判/360頁/上製本 ISBN978-4-86435-434-9 C1095 |
定価:2,200円(税込) |
吉田正人 第一詩集
『人間をやめない 1963~1966』
詩人とは、詩を書くために生まれてきたような、溢れる詩的衝動を抱える表現者である。その内的必然性は、詩人の第一詩集から立ち上がってくる言葉の純粋性だろう。吉田正人第一詩集『人間をやめない 1963~1966』がこの度刊行された。これを読めば、そんな言葉の純粋性とは何かを明らかにしてくれる。(鈴木比佐雄 帯文より)
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A5判/208頁/上製本 ISBN978-4-86435-433-2 C1092 |
定価:1,980円(税込) |
大城貞俊 小説
『記憶は罪ではない』
「先生……、お元気ですか」
沖縄の高校教師五人の記憶が、哀感溢れる物語となって解き放たれる(帯文より)
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46判/286頁/並製本 ISBN978-4-86435-432-5 C0093 |
定価:1,870円(税込) |
村上政彦 小説
『台湾聖母』
台湾を旅するあなたに贈りたい。
日本と台湾の知られざる歴史や人間ドラマ、俳句を通した心の透明な雫……。(帯文より)
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46判/192頁/並製本 ISBN978-4-86435-412-7 C0093 |
定価:1,870円(税込) |
淺山泰美 エッセイ集
『京都 夢みるラビリンス』
京都人は迷宮に遊ぶ
雪よりも 静かに
月よりも 清かに
花よりも 愛おしく
幽けき 京都への 誘い
(帯文より)
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46判/228頁/並製本 ISBN978-4-86435-428-8 C1095 |
定価:1,650円(税込) |
みうらひろこ 詩集
『ふらここの涙―九年目のふくしま浜通り』
みうらひろこさんのご家族は、東日本大震災と核災とによって居住地を奪われ、避難生活は終結の見とおしがない。Ⅰ章では、失ったものへの想いを語り、翡翠(かわせみ)が飛ぶ川がある町で生きようとする思いを抱く。Ⅱ章は、娘を亡くしての孫との三人暮らしを中心に語る。そしてⅢ章では、九年目の視点から核災の現況を「高濃度のそいつ(デブリ)を/取り出した後、どこに置くのか」と訴えている。(南相馬市の詩人 若松丈太郎)
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解説:鈴木比佐雄 |
A5判/152頁/並製本 ISBN978-4-86435-429-5 C1092 |
定価:1,650円(税込) |
安森ソノ子 英日詩集
安森ソノ子 英日詩集『TOUCHING MURASAKI SHIKIBU’S SHOULDER 紫式部の肩に触れ』
これらの詩には安森さんの歴史感覚が顕著に表れている。(中略)安森さんは外国の学生と話すことが好きである。詩人の特権として空中に漂っている声を聞くことができる。彼女は優れた耳を持つ。(北垣宗治 同志社大学名誉教授)
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翻訳:北垣宗治 |
A5判/128頁/上製本 ISBN978-4-86435-417-2 C1092 |
定価:2,200円(税込) |
デイヴィッド・クリーガー詩集
『神の涙―広島・長崎原爆 国境を越えて』増補版
デイヴィッド・クリーガー氏が広島・長崎を訪れたのは1963年。衝撃を受けた彼は後に米国で「核時代平和財団」を創設し、半世紀近く核兵器撤廃に基づく真の世界平和を発言し続けてきた。彼がメンバーであるICANは2017年にノーベル賞を受賞した。彼が被爆者を記した詩集『神の涙―広島・長崎原爆 国境を越えて』は、長崎原爆資料館でロングセラーになり増補版が刊行することになった。(「帯文」より)
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翻訳:水崎野里子/解説:鈴木比佐雄 |
46判/216頁/並製本 ISBN978-4-86435-424-0 C1092 |
定価:1,650円(税込) |
守口三郎 英日詩集
『THE ANGEL OF SUFFERING / ZEAMI』
わたしがどんな言葉を使っても守口三郎教授のこの劇詩の美しさ、力強さ、素晴らしさ、を十分に説明することは出来ない。作品そのものに説明してもらいましょう。この素晴らしい二篇の劇詩を英訳することは、わたしにとって実に素晴らしい経験でした。世界中の読者が、老いも若きもこの本を愛読してくれることを期待しています。(郡山直「序文」より)
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翻訳・序文:郡山直 |
A5判/152頁/上製本 ISBN978-4-86435-427-1 C1092 |
定価:1,980円(税込) |
元澤一樹 詩集
『マリンスノーの降り積もる部屋で』
元澤一樹はいかなるときも人間を離さない。人間であることをやめず、人間になることを諦めない。若々しい感性から弾き出される言葉は私たちを勇気づけてもくれるのだ。(大城貞俊「解説」より)
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解説:大城貞俊 |
A5判/120頁/並製本 ISBN978-4-86435-422-6 C1092 |
定価:1,650円(税込) |
二階堂晃子 エッセイ集
『埋み火 ―福島の小さな叫び』
二階堂氏のエッセイの味わい深い特徴のひとつは、淡々と地域のために活動する真摯な生き方をしている人物に光を当てて、その持続することから見えてくる精神の輝きを伝えてくれることだ。それはひたむきに生きる他者を通して自らも真摯に生きたいと願うからだろう。(鈴木比佐雄「解説」より)
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解説:鈴木比佐雄 |
46判/192頁/並製本 ISBN978-4-86435-425-7 C1092 |
定価:1,650円(税込) |