わたしたちはこの異星のうえで出会い/会えないでいる一日を一年のように感じているが/宇宙的にいえば それは一瞬だ/沈まないうちに次の一歩をふみだし/水のうえを歩くように/わたしたちは足跡を残さない
(詩「わたしたちは何も残さない」より)
栞解説文:鈴木比佐雄 |
四六判/128頁/ソフトカバー |
定価:2,160円(税込) |
発売:2011年7月26日
【目次】
第一部 ばらっど ひとつ,びらねる みっつ,
そのたの みじかい詩,1969-73
ふつうの女の子に
春になったなあ
だれかさんのおべんとばこ
いつも戸口までだったね
ことばはたねだ
なにか いいことが ありそうな気がする
あさじが原
第二部 ぬいぐるみの世界
ネコのおばあさん
イヌのおさむらいさん
おにのむすめさん
きつねのおよめさん
からすのクローさん
第三部 むかしの歌
たねのないリンゴをあげようか
ウィリー坊や
あなたの引き立て役
バラを集めよ
やなぎのこかげ
夏のさいごのバラ
第四部 二つの世界
アイオワの春,1971
キットキットディズィにて
独標
月見草
To Ruth Benedict
To Val
未亡人の窓
ミル・バレーのデービッドに
オハイオ盆踊唄
松本
イェロースプリングズはいかがでしたかときかれて
第五部 無心と経験の歌
無心の歌
朝の出会いの歌
気がついてみたら
わたしたちが良い時をすごしていると
満月だったのが半月になり
O SOLE MIO
わたしたちが会えないでいると
高原の恋
魅惑の午後
ダロウェイ夫人のような
カワセミの日
午後のコンサートホールから出ると
わたしたちは何も残さない
わたしたちは はだかのつきあい
なにもしない
ナショナルギャラリー
無責任といえば無責任?
薬師寺
朝の天使
毎日毎日が
セントバーナード
ウィリー坊や
ウサギのとき
唯我論
経験の歌
立琴
男と女は
いいあらそいのあとで
アスフォデル
グールドさん,ありがとう
父の思い出 1936-1941
後遺症
母の思い出
けいちつ
クールベの世界のはじまり
突出
狭き門
この広い空の下で
タカラガイケの日曜日
ヘンゼルとグレーテル
ありがとう
星菫派
恋歌
カナダの葉っぱ
ほめうた
あとがき
略歴
初出一覧
【詩を紹介】
わたしたちが良い時をすごしていると
わたしたちが良い時をすごしていると
あのひとが首をつきだして交差点を
わたってくるのが見えたので
わたしたちはかくれた
あのひとはひとの時間をぬすむからね
といいながら気づいた
わたしたちに共有できるのは
時間だけだ