名古きよえエッセイ集
『京都・お婆さんのいる風景』
こんなにも濃やかな思いを、詩や絵画のほかにも抱いていらしたなんて! 住人の目で捉えられた古都は、〈いちげんさん〉の旅行者には見せないくつろいだ表情で、ふところ深く彼女を受け容れている。連れ立って歩いて頂けたら、私よりもお若い名古さんにはお気の毒だが、傍目にはそれも『お婆さんのいる風景』と映るだろうか、と愉しくなってくる。 (帯文:新川和江)
解説文:鈴木比佐雄 |
四六判/248頁/ソフトカバー |
定価:1,542円(税込) |
発売:2011年4月28日
【目次】
一章 お婆さんのいる風景
お婆さんのいる風景
街の色合い
瑠璃色の空の下で
娘と私の初詣
上七軒の知人を訪ねて
谷の雪解け水
西陣の早春
松尾橋を渡る
京の町家で
建礼門院
雨の日の廬山寺
友 ―千代子さん―
鴨川の流れに思う
青 梅
蛍が来た
京都の夏
六道まいり
闇のなかで ありがとう
母の「北大路」
本当に大切なものは何?
二章 外見と中身
故郷を出て五十余年
老いの坂道
外見と中身
「サロン・ド・むろまち」
植木屋さんとのであい
コオロギと子供
夜の音
九条武子の面影
渡 る
行きずりに
京都の詩の朗読会 「ほんやら洞」を出発点として(1)
ほんやら洞の詩人たち(2)
快活という哀しさ
「好む」ことから
京都の商店街今昔
早春の墓もうで
鳥 居
今日も元気でよかった
上賀茂の風景
三章 ミカンの平和
詩と宗教 ―私にとって宗教とは―
お遍路さんになって
ミカンの平和
秋風にさそわれて ―余呉の湖―
新春の小さな旅
山尾三省の詩 ―土について―
北上川に架かる橋
阪神淡路大震災で生れた言葉のサウンド
ウエイ トレイン
岩と水の調和
スクランブルの時
円山音楽堂
巻き寿司にまつわる話
幾つかの偶然
風景は日々変わってゆく
大邱の空晴れて
難 民
ある日の連想
解説 「ひかえめの美」に憧れる人 鈴木比佐雄
あとがき
略歴