書籍一覧 新刊
崔龍源
『崔龍源全詩集・全歌集』
本書の詩や短歌やエッセイなどを読めば、崔龍源が書きたかった小説が『遠い日の夢のかたちは』のようにおぼろげに、一人ひとりの心に多様な物語として湧き上がってくると私は信じている。崔龍源の目指した「地球人」の文学思想や生き方が多くの人びとの心に住み着くことを心から願っている。 (鈴木比佐雄 解説文より)
解説 鈴木比佐雄 |
A5判/528頁/上製本 ISBN978-4-86435-643-5 C0092 |
定価:5,500円(税込) |
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発売:2025年2月4日
目次
第一部 全詩集
第一詩集 宇宙開花 (一九八二年刊)
序詩
よおらん
I 生きることに捧ぐ
音楽
種子のうた
詩篇
軌跡
星 ―或る祝婚歌
鎮魂
血脈
Ⅱ 愛することに捧ぐ
うた
地下水
祈りのはじめに
生命抄 ―ある誕生に寄せて―
葉
秋思抄
風
Ⅲ 人間であることに捧ぐ
眼 ―ある少年の問に答えて―
コリアにて
冬の歌 ―悼全泰壱君―
地図
影絵
橋
イムジン河にて
宇宙開花
鳥
後記
第二詩集 鳥はうたった (一九九三年刊)
生(ヴァイ)
少年
木
目
さくら・にじます・木槲・僕・その他
弦
ピエロタまで ―会田綱雄氏に
声
蝉時雨のなかでうたえる
朝 ―或いはリトルジョン
夢の影
水
宙 ―光州異聞
手紙
無言歌
馬の目 ―ソウルにて
鳩と少年
サラン
僕よ もう…… (雪になるために)
ノクターン
渇く ―To Hiroshima and Nagasaki
はじらい
昭和
潮騒
ままごと
在りたい
遊行あるいは鎮魂歌
はじめへ
花のサラダ
生きる
木洩れ陽の中で
鳥はうたった
あとがき
第三詩集 遊行 (二〇〇三年刊)
春
ボーダレス・ブルース
時代 ―常に繰りかえされるところの―
海辺で
鳥瞰図
東京物語
しるし
ぼくはここにいる
この国の夏は美しい
だが待て
水の記憶
民衆 ―友の名はミンジュ―
朝鮮狼
祈祷篇
エレジー
秋二題 ―草野心平氏の詩をモチーフにして―
バラッド ―父そして畏友神山秀純へ捧ぐ―
日常抄
消息
森
失楽園あるいは…
海の奇蹟
詠唱
わが畏きうた
あとがき
第四詩集 人間の種族 (二〇〇九年刊)
序詩 世界
Ⅰ
とんぼの国
通り
魚の話
人間の香り
何千億の彼
夜半 果物かごのブルース
空き缶と壜
ピーター・ハンクスの星
母物語
人間の種族
撫子の花のうた
Ⅱ
えにし
流離の譜
セレナーデ(虫)
流れ星 母さん 流れ星は空が流す涙のようだったね
異邦人
椿
砂の城
異化
露
石と伽倻琴
誰か
心と脳の関係詩
父母たちは言った
Ⅲ
エチュード
ひとつしかない地図
その鳥は…
ひとみのなかに ―あるいは移動
劫
尹君 ―思い出
かつて そして 今このとき
風よ
水の頌歌
バラッド ―四重奏
痕跡(愛の)
川 ―淵なき世界へ
ぼく きみ ぼくら
あとがき
第五詩集 遠い日の夢のかたちは (二〇一七年刊)
空のひとみ
路上
遠い日の夢のかたちは
さくら
キリンの唄
ハンマー
窓
月の夜と虫の声
骨灰
ひとひらの雲
無人の譜
わがティアーズ・イン・ヘブン
ポキン
虹色ペンギン
ユクサあるいは囚人番号263
―かつて李陸史という抗日運動家・詩人がいた
水のゆくえ
Kとの時代 ―自画像に代えて―
地図
世界へ
チェ・リサン
三・一一狂詩曲
真贋の森で ―あるいは真贋の詩―
木
森
沈黙の書物
夢記
手紙
虹物語
無言歌
風が
時空
あとがき
第二部 詩集未収録詩篇(一九八五~二〇二三年刊)
「海燕」第一巻第一一号~第七巻第一一号
友ヘ―手紙Ⅱ
思い出
「舟」八一号~一二二号
カレンダー
長いあいだ忘れていたぼく
日常抄
男
湯宿
水の星
恋唄
岸辺・手紙・種子・不在 ―ソネットに寄せて―
ぼく或いはひと
ソネット三篇
悲歌
未来へのソネット
ありふれた休日のうた
遠景
父三題 ―十三回忌に寄せて
祖母(ハルモニ)の里
二〇〇三年詩篇
渚の協奏曲(墓参)
バラッド四題
返信 そして 窓 それから 鋏
この惑星に生まれて
めだかの国で
ソネット 三篇
アムールヒョウ
「コールサック」三八号~一〇〇号
AN ELEGY
短歌のある即興詩
続・東京物語
黄土にて
或る喝采 ―二○○四年詩片―
空の寓話
異人のカノン
風に寄せて
座敷犬
水と星と友へ
水のふくろ
天人菊
生きるための遁走曲
はぐれ者の詩
変容のセレナーデ
つゆ
きみと樹とぼくと鳥のオマージュ
たんぽぽ考
さよならロシナンテ
レクイエム二題
岬の突端で 声あるいは夕日
闇と光のバラード
じゃがいもの唄―終戦記念日に
夢みたことは
繭
存在
情念
意志
場所
空の湖あるいは海のような空
秋
ささなみ
黙示 ―新しい父性へ―
雲のなぎさ
希望
散歩者の唄
「禾」一号~三四号
組曲
いのち抄
母物語
星三題
黄土考
震える木
羽蟻のうた
日本狼考
祖国
訃報
さよならドン・キホーテ
未生のものたちのうた
便り
母の声と子どもの耳
月のはなし
死と生
家路
竹林のなかで
ゆえん
カレーライス
白い紙
過程
椿あるいは対話
遠雷
火の唄
鯵の干物
「サラン橋」第一号~第二一号
少年
ヤクソク
海のなかの声
かなかな
ゴールあるいは肉
鬼
少年
暗号
紡錘形の地球
星のかたち あるいは鄭君
捜神
しゃっくり
風変りな木
ばら
虹と初恋
異邦人Ⅱ
であるとでない
ななふし
人のかたち
ポタリジャンサ(海を越えて)
誕生
不在考
悲歌・枯葉
ふんころがし
しょっぱい彫像
落ち葉のカノン
ぼくじゃない
むかしとんぼ
木
真空
かれ ―三・一一東日本大震災異聞
絆 ―シモーヌ=ヴェイユヘ
森
水の味
だれだろう
クリスマス・イブ
こわれたソネット
光芒 『ライ麦畑でつかまえて』異聞
水の唄
空耳
たらのめ
ふくじゅそう
さくら
あっけらかん
会いにゆく
アルカディアまで
春になると
時
記憶するものへ
黄海の譜
部屋
そら
道
アルディピテクス・ラミダス猿人に捧げる組曲
四十億年のいのちを主題とする組詩
右手にペン
象
「いのちの籠」第一号~第四三号
八月になると
戦争
意思のナイフ
ちいさな指の骨の唄
夢のあかし
命題
読みかけの生
消失点
鮠
人がひとに
ひまわりとぼく
ドーン
袋
石の影
ガチャン
父がいた夏
父は ―ありふれた比喩の唄
ことば
血と橋
野ネズミ
ラエトリからの道
「さて」第五号~第一四号
乱橋
詩三題
詩二篇
第三部 短歌・俳句
1 歌集 ひかりの拳 (私家版、遺稿)
I 生まれたての空
Ⅱ めだかの国
Ⅲ 羽根をください
Ⅳ 空き缶の中身
V 組曲のように
Ⅵ 贖わんため
2 歌集未収録短歌 (二〇〇一~二〇一九年)
「Es」一号~三〇号
空き缶の中身
二十一世紀旗手 特集「世紀」
伽耶琴の音をまねて 特集「音」
日々詠嘆
シーソー 特集「液体」
微笑みにせよ 特集「裂く」
春から秋へ
青い自転車 特集「神への後退」
2003 春
含羞 特集「層」
橋となるべし
ひとあらめやも 特集「70年代の小説」
贖わんため
未来形 特集「神話」
夭さき秋
夢のあとさき 特集「劇に遇う」
めだかの国
飽食の窓
きざし 特集「写生」
アーカイックスマイル
水の星 特集「言葉の捨て場所」
人型の風
たましいの牙をなくして ―日々雑感
特集「社会詠は可能か」
「ラプソディ・イン・ブルー」のように
花追人 特集「盗作」
ダンスダンス 391
笑止 特集「トリック」
東水道 393
鬼がもの云う 特集「もの」
樹になるけはい
怒りのペンネ 特集「異種交配」
たんぽぽの唄
悠久の時間のなかで 特集「祝祭」
ティッシュペーパー・ブルース
刃とならず 特集「中毒」
夢のつづき
素数階段
競詠
昔も今も、今も昔も 特集「古典との遭遇」
ミッシングリンク
棄民の歌 特集「儀式」
時々ラ・マンチャの男と飲む そのほか
ふふふふふ 特集「わらう」
夏のたましいの光
ありていに 特集「壊れゆく楽器」
あんぐり
けたけた 特集「暴力をふるう」
楡となるまで
非在の騎士
妖歌 特集「妖怪」
地の精 特集「プロパガンダ」
途上あるいは虹色ペンギン
るり色パンとブルース 特集「和歌の声をきく」
恋する旅人あるいはシャオシャオ
サランサラン
ふうわり
「さて」一号~五号
それから
風のゆくえ
春雷あるいは蛍火
阿呆 428
ビッグバン以前
3 辞世の短歌と俳句
〈病中苦吟〉 ―妻―(必ず妻に渡して下さい。)
第四部 小説、エッセイ、評論
星(ビョル)
「サラン橋」編集後記
淵なき器へ
鈴木比佐雄詩論集『詩の降り注ぐ場所』に寄せて
第五部 追悼文、崔龍源論
詩を生み出す泉のような人 川久保光起
存在の悲しみを世界の悲しみに転換し詠い続けた人 鈴木比佐雄
詩人・崔龍源小論 趙南哲
解説 「宇宙開花」と「うまれたての空」を感受し思索した地球人
―『崔龍源全詩集・全歌集』に寄せて 鈴木比佐雄
年譜
謝辞 川久保ひふみ