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若松丈太郎英日詩集 翻訳:与那覇恵子/郡山直 監修:メーガン・クックルマン
『かなしみの土地 Land of Sorrow』
神隠しの街は地上にいっそうふえるにちがいない
私たちの神隠しはきょうかもしれない
うしろで子どもの声がした気がする
ふりむいてもだれもいない
なにかが背筋をぞくっと襲う
広場にひとり立ちつくす
―「かなしみの土地 6 神隠しされた街」より
I’m sure more cities will disappear from the earth.
Today may be the day that we disappear.
I think I hear a child’s call.
Turning, I see nobody behind me.
A chill runs down my spine.
Alone, I’m just standing still here in the plaza.
― “Land of Sorrow 6. The Town that Disappeared”
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A5判/224頁/並製本 ISBN978-4-86435-564-3 C0092 |
定価:2,200円(税込) |
発売:2023年4月1日
目次
序文に代えて 極端粘り族の誇りと希望 鈴木比佐雄
Ⅰ章 若松丈太郎のウクライナ・福島の原発詩篇
かなしみの土地
プロローグ ヨハネ黙示録
1 百年まえの蝶
2 五月のキエフに
3 風景を断ちきるもの
4 蘇生する悪霊
5 《死》に身を曝す
6 神隠しされた街
7 囚われ人たち
8 苦い水の流れ
9 白夜にねむる水惑星
エピローグ かなしみのかたち
いくつもの川があって
「かなしみの土地」で「囚われた人たち」に想いを寄せた人 鈴木比佐雄
Ⅱ章 若松丈太郎の代表詩篇十五篇
夜の森 一
夜の森 四
望郷小詩―宮沢賢治によるvariations
水沢
人首町
北上川
死んでしまったおれに
霧の向こうがわとこちらがわ
1 ジェラゾヴァ・ヴォーラの空
みなみ風吹く日
町がメルトダウンしてしまった
不条理な死が絶えない
夷俘の叛逆
土人からヤマトへもの申す
こころのゆたかさ
三千年未来へのメッセージ
軍備はいらない
ひとにはことばがある
未知の若い友人へ
著者略歴