コールサックシリーズ

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董振華 聞き手・編著/黒田杏子 監修
『語りたい兜太 伝えたい兜太 ― 13人の証言』
我々の俳句は、これからも、なんどでもこの人から出発するだろう。「十三人の詩客」がそれぞれに見た永遠の、可能性としての、兜太――。李杜の国からやってきた朋が、これらの胸騒がせる言葉をひきだした。(帯文:高山れおな)

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A5判/368頁/上製本 ISBN978-4-86435-548-3 C0095
定価:2,750円(税込)

董振華 聞き手・編著/黒田杏子 監修 語りたい兜太 伝えたい兜太 ― 13人の証言

発売:2022年12月8日



目次


まえがき

第1章 井口時男
金子兜太と知り合う/『金子兜太 俳句を生きた表現者』執筆のきっかけ/『金子兜太 俳句を生きた表現者』の意義/金子兜太の思想の根幹と秩父困民党/金子兜太のアンビバレントな父親像/戦後の社会性俳句と背景/社会性と芸術性を両立させる兜太俳句のメタファー/俳句と短歌におけるイロニー/松尾芭蕉の俳句のイロニー/高柳重信の俳句のイロニー/西東三鬼の俳句のイロニー/塚本邦雄の短歌のイロニー/金子兜太の俳句の述志/金子兜太の男性性とフェミニズム/金子兜太の中の母親像/金子兜太と一茶と山頭火/破調と無季と季重なり

井口時男の兜太10句選/井口時男略年譜

第2章 いとうせいこう
俳句は幼い時からお馴染みだった/「お~いお茶新俳句大賞」選考会の金子兜太と森澄雄/『他流試合 兜太・せいこうの新俳句鑑賞』の回顧/俳句と自分の文筆活動/自分の小説の中に俳句を取り入れる書き方があるか/俳句とヒップホップ/僕の俳句は金子兜太派だ/我が子の成長を詠む俳句を変わった形の句集に/『東京新聞』に終戦記念日の「金子兜太・いとうせいこうの対談」の回顧/二〇一五年の元日に「平和の俳句」がスタート/「平和の俳句」選句中の二人の空気感とバランス/「平和の俳句」と並行して、「アベ政治を許さない」ムーブメントの展開/金子兜太は大きな山のような存在だった

いとうせいこうの兜太10句選/いとうせいこう略年譜

第3章 関悦史
朝日文庫「現代俳句の世界」シリーズの『金子兜太 高柳重信集』を通じて兜太俳句を知った/兜太と最初に会ったのは正岡子規国際俳句フェスティバルだった/兜太の俳句韻律と私の二度の宗左近俳句大賞候補者経験/兜太に呼ばれて秩父道場へ講演に行ってきた/風通しをよくしてくれた兜太/兜太俳句の文体はこれから続けられるか

関悦史の兜太10句選/関悦史略年譜

第4章 橋本榮治
挨拶は「おう」でした/伊昔紅と兜太の校歌/秩父音頭を愛した伊昔紅と兜太/伊昔紅句集『秩父ばやし』と兜太さんの跋/兜太俳句の調べ/兜太と伊昔紅の俳句の違い/門前の句碑と二度の来訪(玉宗と兜太)/兜太という人間への評価

橋本榮治の兜太10句選/橋本榮治略年譜

第5章 宇多喜代子
伝聞の金子兜太のイメージ/本物の金子兜太に出会う/現代俳句協会会長就任と三大仕事/秩父俳句道場で「稲の元を訪ねる昆明の旅」を語る/稲作発祥の地―河姆渡遺跡/私の俳句の原点は米、そして水と土/現地青年の結婚式参加及び句集名『象』の由来/古来の文明を守る俳句の力/日本の歳時記の元の元は『荊楚歳時記』/金子兜太の俳句/金子兜太の人間性

宇多喜代子の兜太10句選/宇多喜代子略年譜

第6章 宮坂静生
金子兜太に作品を依頼したのち、その作品を注目するようになる/第一句集『青胡桃』で兜太からの感想文をきっかけに交流開始/『今日の俳句』―兜太から学んだこと/「鷹」を経て、「岳」を創刊する/「俳句の現在」―「岳」創刊二十周年大会における金子兜太の講演/兜太と一茶の「荒凡夫」/金子兜太と大峯あきら対談―兜太の宇宙・あきらの宇宙/現代俳句協会創立七十周年記念と私的戦後俳句総括/混沌たる明晰―金子兜太への弔辞

宮坂静生の兜太10句選/宮坂静生略年譜

第7章 横澤放川
金子兜太と交流を持った経緯/「兜太 TOTA」創刊の経緯/兜太と草田男―共感と反発と/兜太と草田男とのもう一つの争点は季題論/兜太と千空と/「兜太は未完ですね」―成田千空の言葉

横澤放川の兜太10句選/横澤放川略年譜

第8章 筑紫磐井
ライバル心を持ち合う登四郎と兜太/「俳壇」の座談会で兜太と初対面/テレビ講義の芭蕉の『野ざらし紀行』から「馬醉木」や「沖」に入会/季題・季語・季感・季重なり/花鳥諷詠と俳諧自由は思想の対立ではなく流儀の違い/金子兜太「第三回正岡子規俳句大賞」を受賞/『伝統の探求』に兜太反発/『戦後俳句の探求』は兜太推薦/青年の敵―秩父俳句道場回想/雑誌「兜太 TOTA」創刊/兜太の代表句にかかわるエピソード/俳壇において兜太の逝去により一つの時代が終わった

筑紫磐井の兜太10句選/筑紫磐井略年譜

第9章 中村和弘
金子兜太先生とはいろいろな意味でご縁がありました/「陸」創刊三十五周年記念講演―『詩經國風』について/兜太の遺志を受け継いで現代俳句協会国際部をより活発に活かす/金子先生のいわゆる「マーケティング」の意味と応用/師とは何か、弟子とは何か―加藤楸邨と金子兜太/兜太現代俳句協会新人賞設立にあたって

中村和弘の兜太10句選/中村和弘略年譜

第10章 高野ムツオ
「駒草」を経て「海程」へ/兜太の暖かい人間性と「海程」仲間の激励/秩父俳句道場と「みちのく勉強会」/「小熊座」への参加と「海程」からの自然消滅/第一句集『陽炎の家』/「小熊座」への金子兜太の講演/秩父道場で二回講演/兜太から学んだこと

高野ムツオの兜太10句選/高野ムツオ略年譜

第11章 神野紗希
兜太を「俳句甲子園」で知り、「十七音の青春」で会い、「俳句王国」で親しくなる/兜太俳句の中の無季俳句について/豪快と繊細を兼ねた優しい兜太/『新興俳句アンソロジー』刊行、新興俳句の影響を受けた兜太/昭和から平成にかけての兜太俳句/夢と現の二重世界をゆききする兜太/兜太が後世に遺したものは何か

神野紗希の兜太10句選/神野紗希略年譜

第12章 酒井弘司
「寒雷」の句会、新人句会、句集の序文を通じて兜太さんと知り合う/「海程」創刊に向けて俳句専念の決意/俳句誌創刊への強い働きかけ/「海程」創刊の時代背景、誌名、方針/創刊同人について/創刊のことば―俳句への愛―/「海程」の編集委員時代、自負できること/兜太俳句並びにその人間性―昭和後半から平成を代表する俳人/俳句を「最短定型」という形式規定一本に絞り、自らの主体性を貫く/地上的な詩形を持った俳人/兜太さんは常に時代に責任を持つ俳人だった/「造型俳句」論―独自の俳句理論を確立した/兜太さんはもっともっと語り継がれていくべきである

酒井弘司の兜太10句選/酒井弘司略年譜

第13章 安西篤
「胴」「風」を経て、金子兜太に師事し、「海程」へ/「金子兜太」論を執筆した背景/金子兜太のあゆみは永遠に/いのちの韻律―金子皆子夫人の俳句/一茶に関心を持ち、そして学んだ兜太/兜太は時を超えた存在

安西篤の兜太10句選/安西篤略年譜


アドバイザー監修者として 黒田杏子
おわりに

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