書籍一覧 新刊
永山絹枝
『児童詩教育者 詩人 江口季好―近藤益雄の障がい児教育を継承し感動の教育を実践』
永山絹枝氏は、近藤益雄から学んだ江口季好の「詩は生活の現実を見つめ、世の中の矛盾を書き込んでいくもの」という信念と「障がい児教育」や「児童詩教育」の根幹に据えた実践活動を、自らを含めた三代目に残し継承すべきだと考えて本書を執筆された。 (鈴木比佐雄・解説文より)
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解説:鈴木比佐雄 |
四六判/296頁/上製本 ISBN978-4-86435-540-7 C0095 |
定価:2,200円(税込) |
発売:2022年11月4日
目次
Ⅰ 近藤益雄の障がい児教育を継承する
一章 弔詩を捧げた障がい児教育者 詩人、江口季好
1 弔詩を捧げた江口季好氏
2 詩作品を読む
(1)「鉄筆をにぎる」を読む
(2)「一本の白墨」を読む
(3)「ささやかな人生」を読む
3 二人共、詩教育に尽くした人だった
4 平和を求め、愛する人であった
二章 二人の平和道〝教師への道〟
1 愁いの中の青年期
2 ささえた母の愛
3 敗戦下における正義とは
(1)生きる道を見つけた益雄
(2)正義の矢を放つ江口青年
4 民主教育の建設
三章 障がい児教育の道 ―「いのち(命)」
1 ねがい
2 障がいのある子と
3 遠いしあわせ
4 障がい児の文字指導
(1)先輩・近藤益雄の実践
(2)江口の実践
5 教師のよろこび・悲しみ
四章 児童詩、この良きもの ―詩教育に命をかけた人
1 はじめに
2 江口氏の夢
3 詩心の育ち方
4 江口の熱情に導かれ
(1)詩情とは
(2)『えんぴつでおしゃべり』
(3)全県の「児童詩本づくり」への願い
(4)二〇〇八年発行『感動とその表現としての詩教育』
五章 江口季好・近藤益雄の童謡
1 詩情ある教室づくり
(1)江口の童謡
(2)ことば育ちは心育て
2 近藤益雄の童謡
(1)第二童謡集『狐の提灯』
(2)成立の経緯
3 文学者、童話作家との交流
(1)まど・みちお氏との交流
(2)浜田広介氏との交流
Ⅱ 感動の教育を構想し近藤益雄の実践を全国に広める
六章 江口季好・近藤益雄の平和道 ―碑のように刻まれた
1 生々しい戦争体験を刻む
(1)「江口自身の体験を語る」
(2)家族の悲惨さを刻む
(3)戦争の聞き書きを刻む
2 平和を語る:ことばの力
(1)どんな人だったか
(2)平和を綴る:近藤益雄・近藤えい子
滾るような怒り・悲しみを平和教育で
七章 江口季好の子ども賛歌 ―脈々とつながり讃えあう
1 手をつないで
2 「わたしの読書ノート/近藤益雄著作集Ⅰ」
3 誠実さがきらめく/作品の数々
八章 障がい児のための教科書作り
1 障がい児個々に適する教材づくり
2 教科研:志摩陽伍氏談 ―言葉の教育の経過
(1)志摩陽伍氏
(2)江口の思想と実践
(3)全面的な発達をめざす障害児学級の指導計画案集
(4)意志を受け継ぐ永山(筆者)の実践
九章 江口季好の病床詩 ―くちびるに歌を
1 病床の中でも 詩があった
2 どんな時も仲間や綴方運動が存在した
(1)39回大会へ送られた手紙
(2)全国の仲間からの返礼の声が響き渡る―ある一証言
3 生きている喜びに震え続けた人であった
十章 江口季好の一生
1 江口の感受性はどのようにして磨かれたか
(1)いつでも歌(詩)があった
(2)詩作の形跡
2 追悼文『一本の白墨』が語る江口の実績
(1)江口さつき夫人の証言 ―「出会いからその後の歩み」
(2)近藤益雄夫人の証言
(3)教え子たちの証言 ―詩の実践指導と理論で注目
3 児童詩教育の全国的広がりを
4 障がい児教育の全国的広がりを
5 結び
主な参考文献
永山絹枝の詩教育実践の歩み
解説 鈴木比佐雄
あとがき ―江口季好論を書きおえて
江口季好・永山絹枝略歴