書籍一覧 新刊
高細玄一 詩集
『声をあげずに泣く人よ』
声をあげて涙を流すことが本当に泣いていることなのかと高細氏は問いかけている。本当に悲しい時には、声をあげて泣くこともできずに、ただ心の中で泣いている人が、本当に泣いている人なのではないかと語っている。高細氏はそのような泣くことが出来ないほど悲惨な人びとの思いに近づき、その存在に深く共感を抱いている。そして、「声をあげずに泣く人」の「声」に耳を澄ます。
(鈴木比佐雄・解説文より)
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A5判/160頁/並製本 ISBN978-4-86435-523-0 C0092 |
定価:1,650円(税込) |
発売:2022年6月9日
目次
序詩 声をあげずに泣く人よ
Ⅰ
断絶
彼女はわたし 渋谷バス停で
サマショール 人類の運命
チャル・シンはミャンマーの大学生
ファイサルくんのおつきさまへおねがい
桃初めて笑う ウィシュマさんの奪われた生
名前のない慰霊碑
七沢温泉福元館 多喜二断想
こうちゃん
無言のビルの前で
三月ウサギ
熱量
どこにもない外側
Ⅱ
乾き
風呂敷一枚の記憶
井出君
少年の靴
真夜中の散歩
息子のカレー
復元力(生きる力)
うんち出たよ
ベランダで迎え火
終末期中期
髭剃り
二〇二一年の新盆
Ⅲ
好きになってはいけない人と過ごした何もない一日
影(女と男)
唾液の音
バスの中にあるスイッチ
薄月
ネコになっちゃったんだよ
青葡萄 詩人の魂
こころの裏口
ばあや
涙
天国への扉
解説 鈴木比佐雄
あとがき