書籍一覧 新刊
今井正和 歌論集
『猛獣を宿す歌人達』
今井正和氏は、民衆の悲しみなどの情念を宿した「猛獣」のような宿命を感じて寄り添うのが批評の役割だと考えて、『猛獣を宿す歌人達』と名付けたのかも知れない。そんな様々な歌人達に隠されているが確かに存在している「悲しい猛獣」の姿を今井氏の評論の中から発見して、心の中に映し出して欲しいと願っている。(鈴木比佐雄 解説文より)
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解説:鈴木比佐雄 |
46判/280頁/上製本 ISBN978-4-86435-469-1 C0095 |
定価:2,200円(税込) |
発売:2020年12月25日
目次
はじめに
Ⅰ 歌壇時評 2016~2017年
たそがれへの転機 ―詩と短歌の現在
今問われているもの ―ひとつの論争を通して
震災詠への視線 ―言葉の重み
近藤芳美と沖縄 ―詠わなければならない事
話題の評論集を読んで ―原典を検証する大切さ
「現代女性歌人叢書」から ―ベテランの実力
鳥居歌集『キリンの子』の世界 ―心の傷を負う者たちへ
清水房雄逝く ―アララギに殉じた歌人
子規展で思ったこと ―造られた万葉像
近藤芳美と岸内閣 ―現代への視座
原爆と短歌 ―竹山広の場合
新しい視点 ―短歌研究新人賞から
抵抗者の歌 ―河上肇と津田青楓
共生へのヒント ―李正子歌集より
民俗としての歌謡 ―風土の中で
Ⅱ 歌壇時評 2018年
二〇一七年回顧 ―「くれない」に見た沖縄
明日を見つめる ―藤田冴歌集『湖水の声』
死者への鎮魂 ―語りかけてくる遺歌集へ
沖縄への溢れる思い ―玉城寛子歌集『島からの祈り』
創作活動の源泉 ―加藤克巳の場合
塚本邦雄の問いかけ ―現象の背後を
震災詠の展開 ―生きている言葉で詠う
北海道からの短歌 ―沖縄への連帯
歌で鳥になる ―生き苦しい時代に
孤高の営為 ―春日真木子歌集『何の扉か』
短歌結社のこれから ―「短歌研究評論賞」より
ひたむきさこそ輝き ―安藤美保歌集『水の粒子』
Ⅲ 歌壇時評 2019年
危機の時代に ―井上美地歌集『残照』
表現者の覚悟を問う ―内野光子の齋藤史『朱天』研究に寄せて
生に伴う翳を摑む ―飯田彩乃歌集『リヴァーサイド』
自己の存在を肯定することから ―辻聡之歌集『あしたの孵化』
八〇年代短歌評論の軌跡 ―何が残されたか
グローバル化の渦中で ―梅原ひろみ歌集『開けば入る』
平和への意思表示 ―大口玲子歌集『ザベリオ』
広島の伝承者 ―佐藤伊佐雄歌集『はちぐわつ』
新しい内省的な詠み ―短歌研究新人賞から
沖縄の短歌 ―「短歌往来」八月号特集より
猛獣を檻に入れて ―石牟礼道子全歌集より
Ⅳ 歌壇時評 2020年
平和な沖縄を希求する熱い思い ―『辺野古を詠う 第6集』より
苦難の先にある光、希望 ―桜木由香歌集『迂回路』
新たな美の探求 ―久々湊盈子歌集『麻裳よし』
全人間としての表現 ―屋部公子歌集『遠海鳴り』
「精神の領分」への検証 ―田中綾著 『非国民文学論』
震災後の傷痕から ―梶原さい子歌集『ナラティブ』
或る日突然の悲しみに向き合う ―秋山佐和子歌集『豊旗雲』
コギトの烽火 ―井上美地歌集『われは戦後の』
エロースの中の気高い光 ―三枝浩樹歌集『黄昏』
低い姿勢から詠う ―久我田鶴子歌集『雀の帷子』
地域や風土への敬意 ― 高木佳子歌集『玄牝』
逆境にいる人たちへのメッセージ ―高山邦男歌集『インソムニア』
Ⅴ 書評
イデアへの郷愁 ―岩尾淳子歌集『岸』
刹那的な願望 ―岡崎裕美子歌集『わたくしが樹木であれば』
新しい女の物語 ―鈴木美紀子歌集『風のアンダースタディ』
ある秋の手紙から ―谷とも子歌集『やわらかい水』
都市に対する美学 ―嵯峨直樹歌集『みずからの火』
解説 鈴木比佐雄 268
あとがき 274