書籍一覧 新刊
原詩夏至 評論集
『鉄火場の批評 ―現代定型詩の創作現場から』
原詩夏至の評論を読んでいると歌会・句会が作家たちの「鉄火場の批評」となって、その情熱の火花が胸に飛び込んでくる。(帯文より)
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46判/352頁/並製本 ISBN978-4-86435-456-1 C1095 |
定価:1,980円(税込) |
発売:2020年11月10日
目次
序にかえて 男の眼
第1部 短歌
Ⅰ 短歌時評 作歌・歌壇
「歌会」という鉄火場
手羽先の数、チキンの骨 ―田中有芽子と岡野大嗣の1首
「批評」と「詩」、「エスプリ」と「野性」 ―北神照美と「罠」
「木馬の顔」を見る、ということ ―第58回短歌研究新人賞「さなぎの議題」の講評をめぐって
「寂滅」と「銀銭」、「沈黙」と「批判」 ―吉川宏志の『斎藤茂吉伝』評を読む
「物語」は「定型」の余白に兆している
―斉藤斎藤「⑨について語るときに③、④の語ること」を読む
「母」と「娘」と「赤い川」 ―佐々木貴子「姥捨」と野口あや子『眠れる海』
月へ行く舟、または「カチン!」の有無 ―宗左近の「詩」論を手がかりに
「なんとかやっている」という「絶望」 ―工藤吉生「この人を追う」を読む
「つめたい春の崖」と「いちごアイス」 ―第61回短歌研究新人賞・川谷ふじのと工藤吉生
「男の冬に!」と「ピンクの軍手」 ―奥村知世「工場のしっぽ」の2首
〈わがまま〉の行方 ―穂村弘「〈わがまま〉について」の今
Ⅱ 短歌時評 社会・思想哲学
「商品」と「産業廃棄物」 ―「カウンター達」の表現活動
降り積もる雪、降り積もる時間 ―震災から5年後の東北の歌
増殖するドラえもん ―穂村弘から木下龍也へ
二つの逆説、二つの叫び ―村永大和と石井僚一
「恋とはどんなものかしら」考 ―森水晶「私小説歌集三部作」に寄せて
「戦争」と「戦後」 ―勝嶋啓太と染野太朗
限りなく平静に近いパニック ―染野太朗『人魚』の「学校」詠
佐太郎と〈時代〉、佐太郎と〈現代〉
偶然西行、偶然定家 ―「偶然短歌」の試み
「歪み」という聖痕 ―江代充と江田浩司
壊れた〈永遠〉、炎上する〈非在〉 ―穂村弘『水中翼船炎上中』を読む
石のまくらとタオルの歯形 ―村上春樹「石のまくら」と短歌
Ⅲ 短歌エッセイ
かなしみはあすこに ―追悼・安井高志君
雪は蝶 ―二つの異質な世界のはざまから
輝くばかり ―佐藤佐太郎の2首
かかはりはなし、ごとし―本当に? ―『歩道』の佐藤佐太郎・断想
非在の「われ」 ―大湯邦代『玻璃の伽藍』の1首
山ぎわが来る、夜が摑む ―「追想」についての一考察
詩歌という「恩寵」 ―2017「光と影の〈空〉の帆船」作品評
詩歌という「証」 ―2018「光と影の《歌》の帆船」作品評
蛙、性、暴力、それから死 ―萩原朔太郎「蛙の死」と短歌
過ぎゆく時、のぼりくる救急車 ―服部えい子の2首
〈存在〉をめぐる一つの〈非‐排中律〉 ―「死者」と「生者」とそのはざま
微分化された〈劇〉 ―田谷鋭の1首から
人を燃す悲鳴の如き音 ―母・原由美子の短歌より
Ⅳ 歌集評・解説
「ファルス」から「天使」へ ―加部洋祐歌集『亞天使』書評
「ますらめ」の品格、原野の孤独 ―福田淑子歌集『ショパンの孤独』書評
「実在」と「非在」の狭間から ―森水晶歌集『羽』の世界
遍在する「異界」 ―小谷博泰『シャングリラの扉』書評
海底の雪、しずかな雨 ―安井高志歌集『サトゥルヌス菓子店』解説
どうして「免罪符」、なぜに「鬼」 ―八木博信『ザビエル忌』を読む
永遠の旅、寄り添う痛み ―原ひろし歌集『紫紺の海』解説
生きている全てのものを祝いきるまで ―岡田美幸歌集『現代鳥獣戯画』書評
第2部 俳句
Ⅰ 俳論・句集評
「空無」と「挨拶」 ―ロラン・バルトと俳句
「地獄」と「極楽」 ―高浜虚子と石牟礼道子
大文字のCancerの星の下に ―夏石番矢『鬼の細胞 Ogre Cells』を読む
「結界」と「聖なるもの」の彼方へ ―永瀬十悟句集『三日月湖』書評
とても小さい ―照井翠エッセイ集『釜石の風』を読む
一茶寸感
西東三鬼『夜の桃』寸感
Ⅱ 俳句エッセイ
オイディプスの眼玉 ―鈴木六林男の1句
似たもの同志 ―中村草田男の2句
季語点描 雪女郎 ―「エロス」の原形質
「プロ」と「職業」 ―虚子の一語
川柳恐怖症 ―瀧正治、あるいは父
〈孤独〉の造型 ―髙澤晶子の1句
「春」と「君」、或いはそのどちらでもないもの ―杉山一陽の1句
「定型」の手前に滴り落ちるもの ―内藤都望の1句
追悼・狩野敏也さん
Ⅲ 俳誌「花林花」一句鑑賞
1 北山星 2 狩野敏也 3 髙澤晶子
4 榎並潤子 5 廣澤一枝 6 福田淑女
7 鈴木光影 8 杉山一陽 9 宮﨑裕
10 金井銀井 11 島袋時子 12 石田恭介
13 岡田美幸 14 内藤都望
あとがき
初出一覧