アンソロジー
アンソロジー
『アジアの多文化共生詩歌集 ―シリアからインド・香港・沖縄まで』
世界最古の古典から現在までの二七七名の作品には、荘子の言うアジアの多様で創造的な「混沌」が宿っていて、『ギルガメシュ叙事詩』、『リグ・ヴェーダ讃歌』、『詩經國風』などから始まり現在のアジアの四十八ヶ国に関わる詩歌文学が、私たちの深層で今も豊かに生きていることに気付かされるだろう。
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解説:鈴木比佐雄 |
A5判/384頁/並製本 ISBN978-4-86435-441-7 C1092 |
定価:1,980円(税込) |
発売:2020年7月3日
目次
一章 西アジア
シリア・トルコ・アフガニスタン・イスラエル(ゴラン高原)・
イラク・イラン・レバノン・ヨルダン・サウジアラビア・クルド
『ギルガメシュ叙事詩』(すべてを見たる人)より(矢島文夫 訳)
宮坂静生 イスタンブールの月
片山由美子 冬の月
つつみ眞乃 砂漠の青史
太田土男 シリア一九九一年回想
永瀬十悟 仏桑花
長嶺千晶 イスラエル巡礼
堀田季何 砂を嗅ぐ
栗原澪子 マルワリード用水路
藤田武 苦界のほとり
福田淑子 ARAB
小谷博泰 戦場
新藤綾子 コーラン聞こゆ
デイヴィッド・クリーガー
イラクの子供達には名前があった
永井ますみ 未来の兵士たち
結城文 地雷埋設地帯の鹿
みもとけいこ 神風
洞彰一郎 暮秋/追想
岡三沙子 旅と焼き栗
地下宮殿の美少女 ―イスタンブール
ひおきとしこ いのりの地 イスラエル
井上摩耶 ハヤという花
村尾イミ子 らくだ色のコート
郡山直 アラブ文化覗き見
比留間美代子 トルコの町角で
斎藤彰吾 バビロンの羊
苗村和正 雨あがりの公園で
岡村直子 貸借対照表(令和元年度)
若松丈太郎 くそうず
二章 南アジア
インド・ネパール・ブータン・パキスタン・
ヒマラヤ山脈・バングラデシュ・スリランカ
『リグ・ヴェーダ讃歌』より
サラスヴァティー河の歌(七・九五)(辻直四郎 訳)
黒田杏子 サリーかがやく
ラビンドラナート・タゴール 私の子供 おさな児
シバ神よ (水崎野里子 訳 英語版より)
影山美智子 ヒマラヤは光る
葛原妙子 褐色の仏
淺山泰美 青い罌粟
坂田トヨ子 ネパールで
佐々木久春 出羽からヒマラヤヘ
―雲南のゆめ混沌
菅沼美代子 掲げる
大村孝子 ヒマラヤを越える鶴
(平成八年一月三日NHKテレビより)
永山絹枝 インドへの道(二〇〇八年)
高橋紀子 仏塔 インドサルナート遺跡にて/
バクシーシー(喜捨)
星野博 マドラスの熱狂の夜
日高のぼる サラーム/タキシーラオレンジ/カイ
バル峠 ―2003年1月1日/インダス河
万里小路譲 マザーテレサの願い
室井大和 天心とタゴール
亀谷健樹 獅ししく
子吼
香山雅代 なにかが ほんのすこし
松沢桃 ベナレスにて
間瀬英作 ユーラシア劇場の人びと
小田切勲 サム砂丘で あったこと
三章 中央アジア
カザフスタン・キルギス・タジキスタン・トル
クメニスタン・ウズベキスタン・中国 新疆ウ
イグル自治区・モンゴル高原・チベット高原
馬場あき子 飛天の道
加藤楸邨 ゴビの鶴
能村登四郎 胡客の歌
杉本光祥 祈(ルンタ)禱旗はためく
照井翠 天山の鷹
山田真砂年 アジアの片蔭
秋谷豊 吐魯番/海の道
森三紗 ビビハニム・モスクに別れを告げて
池田瑛子 山の文化館で
草倉哲夫 アムダリア河畔の種売り娘
神原良 砂漠の 影/ 黄砂の街
谷口ちかえ 天の星・地の星
埋田昇二 莫高窟一五八窟 ―佛涅槃像 西壁
安森ソノ子 楼蘭の美女
山口修 信仰
下地ヒロユキ 鳥に啄まれるために
林嗣夫 大黄河
四章 東南アジアⅠ
ミャンマー(ビルマ)・タイ・ラオス・カンボジア・
ベトナム・マレーシア・シンガポール
角谷昌子 乳海攪拌
中永公子 Bangkok バンコク
高野ムツオ 仏手柑
秋野沙夜子 憧れのアンコールワット
中田實 血塗れの床
座馬寛彦 円かなくち
金子光晴 女たちへのエレジー
小山修一 ヤンゴン ―「ミャンマーの旅」より
安部一美 水上の家
吉村伊紅美 夕陽のしずく ―ミャンマーの友へ―
志田昌教 からゆき初音/
からゆきさんの辿った道
西原正春 神々の供へに
呉屋比呂志 ビルマ戦線 ―西原正春の戦闘幻視
根来眞知子 いつから
安井高志 鉄橋
志田道子 エラワン哀歌
宇宿一成 国道一号
太原千佳子 ひとこと
美濃吉昭 スーチンの女
鈴木比佐雄 ロンビエン橋を守る人びと/
アンさんの笑顔の秘密
天瀬裕康 ベトナム証跡紀行
萩尾滋 メコン ―黄色い澱み/
フェリ・ベトゥンラー
水崎野里子 シンガポールにて ―歩く
貝塚津音魚 マレーシア思郷の唄
長谷川破笑 炎天下問我 ―マレーシア紀行
玉川侑香 スンジョノ
五章 東南アジアⅡ
インドネシア・東ティモール・香港・台湾・
フィリピン・南太平洋の島々
鈴木六林男 青バナナ
前田透 島の記憶(抄)
洪長庚 敷島の道
星野元一 バグース・父
朝倉宏哉 トラジャの樹
なべくらますみ 川の流れに
(インドネシア・ダヤック族の場合)
山本衞 海のソネット/二題
北畑光男 ことばの汀
石川樹林 香港の君たち
梅津弘子 マスク
門田照子 重たい空気
周華斌 一番星の伝説 ―「台湾人元日本兵士の補償
問題を考える会」を結成した王育徳先生へ―
近藤明理 亡命者の帰郷 ―王育徳紀念館の創立―
龍秀美 潮音寺
志田静枝 台湾の地を再び踏みたい
酒井力 M葬送
佐々木洋一 骨骨
星清彦 望郷の地 台湾
橋本由紀子 霧中に立つキリン首 ビンロウヤシ
秋山泰則 高雄の空
かわかみまさと 「赤とんぼ」の車輪
中川貴夫 沈丁花
清水マサ 「希望の国」の末路
長津功三良 夜の底
あゆかわのぼる 微熱の伝説
―あるいは令和元年9月28日―
工藤恵美子 南洋の木鉢
六章 北アジア
ロシア・モンゴル・モンゴルと中国国境・
縄文・アイヌ
宮沢賢治 オホーツク挽歌
与謝野晶子 裸足少女
望月孝一 チェーホフ『サハリン島』
*十九世紀末文学として読むドキュメント
畠山義郎 韃靼海峡 ―安西冬衛追想
鳴海英吉 歌/墓/鶴
田澤ちよこ 見たことのない花
猪野睦 ノモンハン桜
窪田空穂 捕虜の死/子を憶ふ(抄)
近江正人 吹雪く夜に
渡辺恵美子 俯瞰
中林経城 イワノフカ
森田美千代 カラカラと音がする
青木みつお フジタと竣介
中山直子 父の写真とロシアの鐘
うめだけんさく ルパシカ
古城いつも マレーヴィチ
―ロシア・アヴァンギャルドに奉げる 188
草薙定 賛成ですか
洲浜昌三 張家口の崩れたレンガ塀
佐々木子 線(Ⅱ)
堀田京子 モンゴル紀行 ―ゲルの生活
名古きよえ モンゴルのミニ競馬
比留間美代子 モンゴルの空と風の声
徳沢愛子 神の魚
鈴木春子 イランカラㇷ゚テの歌
若宮明彦 海峡風
甘里君香 縄文breath
七章 中国
『詩經國風』より 汝墳 (橋本循 訳)
松尾芭蕉 おくのほそ道(抄)
正岡子規 大柳
夏目漱石 王維の詩集
芥川龍之介 童子の眠り
金子兜太 黄土地帯
山口誓子 日月空に
西東三鬼 厖大なる昼寝
佐藤鬼房 虜愁記
渡辺誠一郎 韃靼想望
能村研三 シルクロードの端
恩田侑布子 九重の天
長谷川素逝 修羅のいくさ
日野百草 皇軍の精華
釈迢空 民は還らず
斎藤茂吉 北平漫吟(抄)
宮柊二 黄河
吉川宏志 夜光
伊藤幸子 中国は近し
今井正和 三峡に舟を浮かべて
田中詮三 中日友好ニコニコ
前田新 馬の話
則武一女 国慶節
古屋久昭 遁天の刑
速水晃 御國のために
松田研之 おい、おるか
上手宰 におい棒
鈴木文子 枕木を踏んで
外村文象 中国との信頼
原詩夏至 獣体拝領
田島廣子 万里の長城
佐藤春子 ピンクの桜
山野なつみ 駅前の喫茶店で
米村晋 米軍のいた夜
柳生じゅん子 地図 ―満蒙開拓平和記念館にて
せきぐちさちえ 無駄
こまつかん 気の変容について
〜宇宙と交感する人体を巡る気〜
片山壹晴 「日本と中国とはそりの合わない兄弟のように、似ていない。」
(モーリス・ベジャール)/原理
八章 朝鮮半島
尹東柱 星を数える夜(上野都 訳)/雨降る夜/
故郷の家 ―満州でうたう
申東曄 酒をたらふく飲んで休んだあくる朝
(姜舜 訳)
石川啄木 秋の神
高浜虚子 火酒の頰 ―大正十三年―
若山牧水 旅中即興の歌 朝鮮東萊温泉にて
中城ふみ子 暗契(抄)
髙橋淑子 辿る旅歌(抄)
池田祥子 馬山に還りぬ
金野清人 虐げられた李さん
小野十三郎 唐辛子の歌
清水茂 漢江と臨津江の合流点に立って
杉谷昭人 花群 ―自伝風に
大石規子 土饅頭の墓 ―韓国にて
上野都 地を巡るもの
新井豊吉 血筋
崔龍源 骨灰
熊井三郎 安重根の思い出
畑中暁来雄 散骨/雨森芳洲の墓
青山晴江 ソソン里
うおずみ千尋 洞
青柳晶子 花の色
日野笙子 トォーマンナヨ(またね)
葉山美玖 小さな携帯
九章 沖縄
八重洋一郎 賭け
おおしろ建 爬龍船
正木ゆう子 西表島
栗坪和子 海市より
垣花和 花梯梧
市川綿帽子 モモタマナの葉
前田貴美子 闘鶏雑唱
おおしろ房 ダチュラ咲く
大城さやか 黒焦げの龍柱
牧野信子 地球の涙
本成美和子 うりずんの碧
上江洲園枝 おもろさうしの 蝶(ハーベールー)
翁長園子 辺野古月
柴田康子 サンゴ産卵
山城発子 桜泣く
前原啓子 桜
大城静子 六月の悲風
謝花秀子 辺野古の海
玉城洋子 北ニヌフアブシ極星輝き
玉城寛子 仏
アカバナー桑華の炎
新川和江 海底公園/雲の大陸 ―機上にて
うえじょう晶 甘いお話
若山紀子 六月二十三日沖縄
伊良波盛男 ニーチェの復活
S・K氏の霊前に捧げる
ローゼル川田 燃えた
玉木一兵 やさしき人のノアの方舟譚
アルコール依存症者の聴き語り
久貝清次 おばあちゃん/はと
与那覇恵子 仰ぎ見る大国
佐々木淑子 進しん工こうせん船
江口節 歩く樹 ―榕ガジュマル樹
いとう柚子 ゴールウェイの街で
佐々木薫 唯一の選択肢/冬の蝶
阿部堅磐 沖縄の旅 民族舞踏・首里城・ひめゆりの塔・今帰仁城 308
岸本嘉名男 忘れられぬ沖縄の印象
酒木裕次郎 沖縄悲歌
矢城道子 サラバ ソコク サヨナラ オカアサン
飽浦敏 ユングトゥ(八重山地方
文句に節をつけた謡うたいのようなもの)
藤田博 西いりざき崎 与那国島で
坂本梧朗 日本語に対する罪
見上司 まほろば ―首里城に寄せて―
高橋憲三 ハイジャンプ
十章 地球とアジア
河東碧梧桐 埴輪の土
西村我尼吾 亜細亜曼荼羅
中津攸子 旅
鈴木光影 多国籍料理
奥山恵 モンスーンの海
大湯代 罌粟の花びら
新城貞夫 アジアの家具
岡田美幸 異国の人
室井忠雄 梅雨前線
高柴三聞 アジアと日本と阿片、コカイン
小田切敬子 深い呼吸
坂井一則 海の膜
植松晃一 終末を超えて
小坂顕太郎 九門
萱野原さよ 公園
梶谷和恵 ほんとうのこと
宮崎亨 信州
伊藤眞司 元号
くにさだきみ 平和ではなく「令和」だ。
みうらひろこ ペットボトルの上手な捨て方
星乃マロン 私たちのチカラ
青木善保 「もしも」の枯渇
山﨑夏代 形骸に過ぎず
勝嶋啓太 ろくちゃんファミリーヒストリー
「飛頭蛮の一族」
根本昌幸 アジアの海
石川逸子 国書って?
洲史 言葉
髙嶋英夫 ようこそ日本語で
篠崎フクシ クロスボーダー
植木信子 晴れた冬至の日の午後
あたるしましょうご中島省吾 向かい風に吹かれたい/津波のあったアジアの浜辺で
佐藤文夫 いま 地球は怒っている
解説 鈴木比佐雄
アジアの創造的「混沌」を抱え込んだ詩歌
編註