洲浜昌三 詩集
『春の残像』
平成がおわり、昭和はさらに遠くなっていく。敗戦、貧困、経済成長、公害、IT革命、格差、少子高齢化、……。激動の中に見えてくるもの、忘れてはならないもの、……。あの生徒は、ふるさとは、歴史は、現代は、どうなっているだろう。石見の詩人、40年ぶりの最新詩集。(帯文より)
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A5判/160頁/並製本 ISBN978-4-86435-370-0 C1092 |
定価:1,650円(税込) |
発売:2018年12月17日
目次
Ⅰ
うつむいたまま遠ざかる
夕日のシルエット
ぶきっちょなひとつの人生を
何が届いただろう 十七の心に
長い旅
答えは吹き過ぎる風の中
父がくれた腕時計
いつもの改札口で
空いたままの指定席
失くしたものが分からない
Ⅱ
桜前線みちのく北上
七歳までは神のうち
笑顔
遠い風景を背負って
最後のことば
あなたのユズと柿
山里に詩人を訪ねて
詩人が不登校になった
時間と位置
ひよこの解釈
礼節
縁先に象がいる
Ⅲ
石見銀山 五百羅漢
石見銀山 人口二十万人
石見は何もない空白地帯
なんでマブいうんやろ
古代へ帰った港 古龍
*
あの雲の下
空にそびえる草原
ここに藁ぶきの農家があった
しゃきらもなぁ いっこくもん
ぼくの中の草原
水車があった村
虚仮の風景
Ⅳ
野道を行くと蝶になり
流人のように草を抜く
澄みきった晩秋の空に
張家口の崩れたレンガ塀
おまえのかあさん
いつものように電話が鳴る
いびしい花
また来るけ、お母さん
古井戸の鮠
優しさを紙に乗せて
Ⅴ エッセイ
詩とは何かを求める長い思索の旅
あとがき
装画・北 雅行