鳥巣郁美 詩集
『時刻の帷』
時空を内側から宇宙的視野でつかみとる個の思いのつながり。〈日暮れの径は呼びとった生の心を敷きつめている〉という深みで、いくつもの心が大地の重みとなって夜のとばりの向こうへ回転する。その〈途方もない距離〉と〈瞬時〉の光。〈胸内に湛えた量感の/ふと往き過ぎた人々の/振り落とした思惟の片鱗〉を感受する詩人が、来し方を掘り下げ見つめる、生の時空。(佐相憲一 解説文より)
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解説:佐相憲一 |
A5判/128頁/上製本 ISBN978-4-86435-331-1 C1092 |
定価:2,200円(税込) |
発売:2018年3月12日
目次
日暮れの帷
夜更けの道
首傾けて
限界ある夜に
彫像
誘うものは
朝明けの一刻
いちまいの午後
足踏む時刻
綾なした日が
塀外を往く日
秋冷
透かし視たのは
痕跡
弥生三月
豪快な桜花に
*
対話の時刻
渚に立つ日
戦火をくぐるということ
仁川に沿う日
山並白く
響き残して
足音
背にあるのは
乾いた道で
手探る日
波打つものが
心の庭で
往き晋む心意は
生成の宿から
*
位置持つ生に
位置独つ
生命独つ
径行き独つ
淵に立つ日
仰向く日
臨み視る日
抱え持つ日
呼びとる日
踏みとる日
流転の足音
含みとるのは
呼吸する刻
旅路
ひとつの経路が
解説 時空を内側から宇宙的視野でつかみとる個の思いのつながり 佐相憲一
略歴