石炭袋新書評論集
A5サイズ、372頁、ソフトカバー |
定価:1,542円(税込) |
発売:2005年12月25日
【目次】
第一章 場所のエネルギー
「春の槍」を投げた能村登四郎と福永耕二
詩の換喩的な内在批評が可能か
「鎮魂」の詩史──與謝蕪村の「若さ」と宗左近の「始原」
「四季」の硬質な抒情性
祝子川から隅田川へ 流れ着いた「花束」──延岡市での「卯の花忌」に思う
「光線の屈折」を見た詩人たち 卯の花忌に寄せて──詩人・本多利通を偲ぶ
沈黙と詩的構想力 本多寿韓国語訳詩集に寄せて│──韓成禮さんへの手紙
痛みの反復と「場所のエネルギー」──金丸桝一著『詩の魅力/詩への道』
「存在の声を聴く」詩人──金丸桝一の「屈折する怒り」
杉谷昭人──「日だまりの底」に生きる詩人
「永遠の汝」と「原語」を反復する人 韓国語版・本多寿詩集『七つの夜のメモ』解説文
第二章 「山河」「列島」の詩的精神
『浜田知章全詩集』解説文 他者の本質直観
直情のリアリズム 浜田知章新詩集『梁楷』に寄せて
他者の苦悩に寄り添う人 大崎二郎詩集『きみあーゆうあ』に寄せて
『鳴海英吉全詩集』の解説文
(1)反復の職人│─鳴海英吉
(2)「鳴海英吉全詩集」編集ノート
(3)「一字二音・同行二人・生と死」の詩論│鳴海英吉「創作日記(A)」ノートについて
「人間の不屈の魂」を生きた詩人『鳴海英吉全詩集』刊行に寄せて
「捨離」を「反復」する詩的精神 『鳴海英吉全詩集』刊行に寄せて
「列島」・シベリヤ・不受不施派の抵抗精神 鳴海英吉の不屈の詩的精神
戦後詩を後世に残す人…井谷英世さんの試み 戦後詩資料館・浜田知章山人舎文庫の開設
蜻蛉と内在批評 一九九七年現代日本の詩 地域別年間総括──東京
第三章 戦後詩と内在批評
1.中桐雅夫と「荒地」の戦争責任
2.福田律郎と「荒地」「列島」
3.「列島」の「思想的ソリダリティ」
4.戦後詩の流星と流民
5.「考える詩人」の想像力と「架空の絶対者」
6.無意識の「衝撃」と「戦争責任」
7.「青い光」「本当の記憶力」
8.記憶を生きる詩人、「記憶喪失」を恥じない詩人
9.詩論家たちは、どんな時間と対峙しているか
──福田万里子、佐藤文夫、山田かん、星野徹、佐川亜紀たちの試み
言葉の体温を奪い返す広島の詩人たち
松尾静明、長津功三良、松岡政則たちの試み
北の詩人の「透明なエネルギー」
宮沢賢治、小坂太郎、桜井哲夫、亀谷健樹、村上昭夫たちの光の言葉
詩的言語はいかに世界の危機を問うているか
三谷晃一、柳生じゅん子、韓億洙、みえのふみあき達の批評精神
「野火」という逆説 桃谷容子詩集『野火は神に向って燃える』
「大いなる庭で遊ぶ」詩人たち
金丸桝一、倉田良成、三尾和子たちの「世を辞するときのことば」
第四章 詩的現場の透視力
〈擬父〉の眼差し
十薬(ドクダミ)と仮想現実─片岡文雄の現在
自他の生を結合させる詩人 『くぎをぬいている』山本衞詩集に寄せて
詩的精神としての「遠方凝視」 川島洋詩集『逃げ水』に寄せて
「最後の問い」を秘めた京都の詩人──淺山泰美の詩的世界
夢の「開かれた魅惑」 宮田登美子第五詩集『失われた風景』に寄せて
「落日」の透視力 新・日本現代詩文庫1『中原道夫詩集』に寄せて
古老の眼差しと近親憎悪 山本十四尾詩集『雷道』に寄せて
逆境を相殺する詩的精神 山本倫子新詩集『落花相殺』に寄せて
駄農(だの)の匂いと風の音を詩語に込める人 堀田孝一詩集『匂う土(どろ)』に寄せて
追悼 大籠康敬さん 夷隅川の詩人へ
凍る兵士に命を吹きかける人 高野未明さんを偲んで
始原への問い、9条への創造力 二〇〇四年現代日本の詩 地域別年間総括──関東
第五章 詩の降り注ぐ場所
国境を越えた風の対話 柴田三吉と韓成禮の詩集に寄せて
「虚しさ」からなぜ詩は生まれるのか
──申東曄、高炯烈、崔龍源、松岡政則たちに流れる「混沌」とした詩的精神
「ムクゲの勁さ」と「サランという未来」へ
在日の詩人・李美子と崔龍源の遥かな場所
「崩れおちた頬を」さする詩人-在日の詩人・趙南哲の原爆詩
星畑の釜山から 「韓日架橋 李秀賢4周忌追悼追慕公演」に招かれて
走れモーツァルト 田中正敏氏のクラリネット協奏曲を聴いて
韓日の「原故郷」を探して