根本昌幸詩集
『昆虫の家』
子どもは、いつも目の前に存在するものに対する驚きの感覚で漲っている。見るもの全てが新しく、見ること全てが冒険である。大人になるに従って、全てを当たり前のように受け容れ、驚きの感覚が萎んでいく。『昆虫の家』には、藪の中で、土の中で、空中で、心の中で呼び交わされる無数の声が交響している。その声が奪われる瞬間の息を呑むような驚きと、驚きの後にひたひたと訪れる謐けさの中から、根本昌幸の詩は生まれる。にぎやかで無口な、おかしくて悲しい詩の群れである。(柳美里 小説家・劇作家)
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解説:鈴木比佐雄 |
A5判/144頁/並製本 ISBN978-4-86435-294-9 C1092 |
定価:1,620円(税込) |
発売:2017年6月7日
目次
Ⅰ章 昆虫の家
飼育中
小さな虫に
草むらの村で
草の中
晩夏の虫
仮面
花のまわりを
昆虫の家
虫を探して
青虫を飼う
擬態と変態
川の中洲の柳の木
こほろぎ
Ⅱ章 ハナカマキリ
ハナカマキリ
弱い虫
強い虫
みみず
アリ
バッタ
銀蠅
カメムシ
スズメバチ
とっくり蜂
尺取虫
蚕
スズムシ
芋虫
十一月の雨
蝶の冬
冬の虫
冬のきりぎりす
Ⅲ章 虫・哀歌
昆虫の哲学
風が吹いている
知らない虫のうた
虫・哀歌
変な虫
話題
殺虫剤
おれは糞になった
時代だよ
会議
続・会議
化石の虫
解説 鈴木比佐雄
あとがき
略歴