詩人のエッセイシリーズ
矢城道子エッセイ集
『春に生まれたような』
生まれて初めて投稿した文が、朝日新聞「声」の欄に掲載されたのは、結婚した翌年、平成元年春のことでした。長男を身ごもりながら、小さな部屋の小さなテーブルで、何気なく書いた文を、たくさんの人たちが読んでくれているのだと思うと、言い知れぬ喜びで満たされました。(著者あとがきより)
四六判/224頁/ソフトカバー ISBN978-4-86435-185-0 C1095 ¥1500E |
定価:1,620円(税込) |
発売:2015年3月1日
《目次》
序詩 「桜の下で」
春の章① 「春に生まれたような」
詩 「春に生まれたような」
書くという喜び ―詩について
愛は心の木 ―音羽山の千本桜
緻密な記憶 ―台所の梅の枝
子規の病床六尺 ―梅も桜も桃も
南吉のタンポポ ―故郷の空気
紅梅だろうか ―引っ越し先の庭木
春の絵手紙 ―ユキヤナギが散る
英彦山の鹿 ―父の通夜
心の写真 ―シャガの花が咲き
マツバウンラン ―春の熟した頃
花どろぼう ―スミレとハナニラ
ホトトギス
『京都 銀月アパートの桜』との出会い
詩 「春」
春の章② 「大地の魔法 ―新聞掲載」
詩 「春の雨」
春を告げる花 リュウキンカ
自然に咲いた タネツケバナ
春の息吹放つ ギボウシの葉
ものみな輝く季節に胸弾む
不思議な匂い オガタマの花
散歩で感じる自然の大切さ
「鬼哭啾々」を知った出会い
人々の心を慰めたモンゴル民話
もし私だったらポリ袋に何入れる
詩 「ドクダミの花」
詩 「創」
夏の章① 「夏の匂い」
詩 「がまがえる」
夏の匂い
かなりや
槿花一朝の夢
選 ぶ
鈴 虫
一枚の写真
戦場のピアニスト
蜂
彫刻刀
タカサゴユリ
ジンジャー
変 化
詩 「心に蠢くものがある限り」
夏の章② 「時の花 ―新聞掲載」
詩 「せみ」
生命みなぎる梅雨を楽しむ
心の「時の花」大切にしたい
我が家の庭にネジバナ咲く
ウオーキング
ターシャさん心に残る言葉
台風とヒナ
減る家族補いキジバトが巣
二種の野草でブーケを作る
悲しみ分かち合える幸せに気づく
縁あればこそ今生を生きている
子供を狙った地雷知り怒り
「経済制裁」で苦しむ子供ら
詩 「球根」
秋の章① 「風を生む種を」
詩 「風を生む種を」
曼珠沙華
キンモクセイ
天高く人間という落し物
朝顔の種
一瞬の感動
毒煙の中で働く少年たち
ドナドナ
秋
詩 「他人を非難しているようなときは」
秋の章② 「愛」心に響く ―新聞掲載
詩 「固執するようなものは何もない」
五十六年ぶり帰郷 尽きぬ悲しみ
「愛」心に響く マザーの言葉
上野焼との出会い
悩んだ時には必ず救いある
「ごみ」問題を克服するには
輸血を控えた主治医に感謝
涙が止まらず バス水没記事
小さな種に思う
春への思い大地に託し種をまく
ふるさとの秋に包まれ潤う心
詩「銀杏」
冬の章 「さがしもの」
詩「ふと・・・」
画家「平野遼」との出会い
夢
生きている言葉
びったれおどしに背中押され
社会のために活用の工夫を
今年も一日一日大切に編んでいく
家族の足音
詩人「宗左近」との出会い
柚子とカボス
詩 「手」(友人の母の手によせて)
詩 「さがしもの」
詩 「祈り」
解説 鈴木比佐雄
初出一覧
あとがき
略 歴 2