北畑光男評論集
『村上昭夫の宇宙哀歌』
昭夫は、人類がこの地球に誕生して以来、世界のだれ一人として思いもつかなかった恐るべき結論に達した。北畑さんもむろんそれを知っている。北畑さんは人への優しさからあえて明らかにしていないが、この著作の道筋はそこに繋がっていて、だから私も気付かされたのだ。(作家 高橋克彦 解説より)
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46判/384頁/並製本 ISBN978-4-86435-289-5 C1092 |
定価:1,620円(税込) |
発売:2017年5月17日
目次
Ⅰ 宇宙哀歌
はじめに
1 村上昭夫の幼少時代
2 私立岩手中学校入学
3 昭夫の作文
4 学徒動員でのこと
5 紫雲寮でのこと
6 昭夫の闇に迫る
7 渡満
8 ハルビン(哈爾濱)
9 『無刑録』芦東山のふるさと
10 昭夫のハルビン生活
11 すべての日本人は侵略者であったのか
12 楡の青葉の街ハルビン
13 官吏挺身隊
14 敗戦直後の昭夫
15 領事館に隠れた昭夫たち
16 男狩りをするソ連軍
17 列車から脱走した昭夫
18 ソ連軍の侵攻
19 新京(長春)へ移動し再びハルビンに戻る
20 八路軍との出会い
21 帰国へ
22 父との氷解
23 盛岡郵便局へ就職
24 昭夫の発病
25 病院で俳句に励む昭夫
26 高橋昭八郎入院・詩の道を歩く
27 母の願い
28 昭夫の退院
29 愛犬クロ
30 存在を問う昭夫
31 震災体験と人間共通の記憶
32 昭夫の愛について
33 人類に向き合う昭夫
34 再びキェルケゴールと昭夫
35 地獄を見た昭夫の願い
36 北方の光りから世界の光へ
37 昭夫の詩の構成
38 飢餓の系譜
39 昭夫の神概念
40 宇宙哀歌
41 ハルビン警察署跡にて
42 自分に向けて問う
43 嘘の自分、嘘の世間に反逆する昭夫
44 詩集出版の頃 昭和四十二年(一九六七年)
Ⅱ 大悲と衆生の幸せ
1 『動物哀歌』との出会いのころ
2 『動物哀歌』の色彩
3 『動物哀歌』の動物たち
4 村上昭夫にみる他者への架橋
5 接点としての哈爾浜―村上昭夫と石原吉郎
6 死ぬことを学べ
―生を生たらしめるために―
7 銀河の牛
8 詩作品「兄弟」をめぐって、その他
9 牛の目
10 憎むことのできない、敵を殺さないで
いいように
Ⅲ 村上昭夫をめぐる詩人たち
1 『首輪』の詩人たち
2 『Là』の詩人たち
3 日本現代詩歌文学館に関わった
三人の詩人
4 岩手県詩人クラブと佐伯郁郎
5 『岩手日報』で活躍した詩人
6 高村光太郎
7 宮澤賢治
8 石川啄木
9 昭夫の本箱から
10 村野四郎
11 澤野紀美子
12 もう一人の証言・松浦喜一の場合
解説 昭夫が昇りつめた果ての哀しみ
高橋克彦
あとがき
村上昭夫年譜
参考文献
人名索引
*装画 大宮政郎「トゥオネラの白鳥」より