千葉貢評論集
『相逢の人と文学―長塚節・宮澤賢治・白鳥省吾・淺野晃・佐藤正子』
千葉貢さんの評論を読み進んでいくと、人が出会うことの本来的な意味(相逢)を強く心に感じさせてくれる。その出会った人びとや生き物や事物とのその後の関係の在り方に、いつの間にか再考を迫られて、本来的な関係を目指そうと襟を正される。(鈴木比佐雄「解説文」より)
ダウンロード不要の電子ブックが開きます。
その他にも立ち読み可能な書籍がございます
【コールサック社電子ブック立ち読みサイトはこちら】
解説:鈴木比佐雄 |
46判/304頁/上製本 ISBN978-4-86435-241-3 C1095 |
定価:2,160円(税込) |
発売:2016年3月28日
【目次】
序章 〝詩歌〟をめぐる旅 ―私の愛唱歌と共に
一 はじめに―日々「可惜」命なり
二 「詩歌」を旅する
三 「風景」を旅する
四 「場所」を旅する
五 「音」を旅する―〝終わり〟との出会いに
第一章 長塚 節の歌集『鍼の如く』考 ―〝写生主義〟を超えて
一 節と子規の出会い ―〝写生主義〟の時代
二 〝写生主義〟を超えて ―「乗鞍岳を憶ふ」試練
三 「病中雑詠」 ―〝叙情〟をうたう
四 〝叙情〟を醸す忍辱の日々
五 絶唱は「鍼の如く」に
第二章 長塚節の『土』のなかの「格差」を読む ―制度に強いられた「可惜」命
一 「不評」を生んだ「格差」社会
二 「格差」という「真実」の描写
三 「可惜」命に秘められた「格差」
第三章 宮澤賢治童話の〝生死〟考 ―『三宝絵』の「鹿王」と重ねながら
一 はじめに―「可惜」命のままに
二 『三宝絵』のなかの「鹿王」
三 『なめとこ山の熊』の諦観―人と熊の交感
四 『フランドン農学校の豚』の苦悩―予告された〝死〟と向かい合いながら
第四章 民衆詩派の詩人・白鳥省吾『新作詩集 楽園の途上』考 ―郷土や民衆と共に
一 はじめに―様々な〝途上〟のなかで
二 〝楽園〟の「途上」を考える
三 〝郷土〟の「途上」をうたう
四 現代の「途上」をうたう
五 「途上」は果てしなく
第五章 淺野晃『現代を生きる』考 ―〝文明批評〟の教えに挑む
一 はじめに―恩師の名著にまつわる絆から
二 〝文明批評〟のなかの「文明」―言葉の真意を追う
三 〝文明批評〟のなかの〝文明〟を質す―時の「批評」を繙く
四 〝近代〟から「現代を生きる」―恩師の「批評」に教えられながら
第六章 佐藤正子「和歌」を紡ぐ ―言霊の導きのままに
一 無言語化する社会に抗して
二 情景を生き写す
三 音感、語感、そして季節感
解説文 鈴木比佐雄
あとがき
『相逢の人と文学』〝御蔭様です〟と伝えたい人びと(略歴の紹介)
初出一覧
著者紹介