亀谷健樹
『亀谷健樹詩禅集』
亀谷健樹さんは北秋田市の太平寺で長年住職を務め上げ後継者に寺を引き継ぎ、今も一人の禅僧として早朝から始まる坐禅、鐘撞き、寒行など一期一会を禅的な精神で、生きておられる求道者だ。(中略)詩と禅を創造していく『詩禅集』が北秋田の地から誕生したことは、稀有で誇るべきことだ。(鈴木比佐雄「解説文」より)
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A5判/528頁/上製本 ISBN978-4-86435-234-5 C1092 |
定価:5,400円(税込) |
発売:2015年12月22日
【目次】
第一詩集 柩 (一九七一年)
序文 無舌語 16
Ⅰ 奥羽の阿仁に偏在する
またぎ抄
雪 17
背 18
波 18
道 19
血 19
山 20
風土に就いて・三篇
入 棺 20
火 葬 21
骨 壺 22
臼 22
ある百姓の死 24
虫が鳴くと 24
貨車構内 25
庚 申 27
道祖神 28
寓 話 30
Ⅱ 鼠と私
音 32
鼠 34
日々是好日 36
一匹の鼠 36
Ⅲ おふせがみに書いた作品
時間について 38
思想について 38
宗教について 39
象徴について 39
民衆について 40
鉦 40
行 食 42
寒 行 43
Ⅳ 業にかんする詩篇
どぶろくに呑まれた話 44
銭 45
鈴 46
囲 46
柩 47
第二詩集 しべぶとん (一九九一年)
Ⅰ 阿仁の山水
白津山 50
小阿仁川 50
大野台 51
太々良峠 52
大沢の里 53
丹平河原 54
大覺野峠 55
本城渡し守り 56
Ⅱ 蝦夷の末裔
またぎ抄・三篇
風 57
業 58
屍 58
しべぶとん 59
寒 59
三 月 60
風 鈴 61
砂 場 62
鶏 に 63
Ⅲ 昭和の証言
耕地整理 64
がんがら缶 64
後生車 65
陽 炎 66
都市について 66
背中について ―庚申講余聞― 68
この一日 ―昭和五十五年の正月に― 69
寒修行 69
梅 雨 70
旱 魃 71
廃 村 72
でかせぎ 74
Ⅳ 縄文の一滴
顔 75
頸 76
眼 77
骨 78
髪 78
巣 79
滝 80
自作自解 系譜と証言 81
第三詩集 白雲木 (二〇〇一年)
寺に棲む 84
つらら 84
雪 竿 85
春の舌 86
穴 87
草 88
根 89
境 91
玄 92
亡 93
花 94
虚 空 タイ紀行 95
印度の旅 96
インドの女 98
獅子吼 100
みちのくに またも はる 101
えづめ(嬰児詰) 103
さんだわら 104
梵 鐘 106
涅槃図 108
花の水 109
白山水 110
白雲木 112
あとがき 114
第四詩集 水を聴く (二〇一〇年)
Ⅰ 四季を遊化
岩偶のわらい 116
山 門 117
玄 関 118
粥 119
化 粧 120
花風呂 122
水を聴く 123
ふんどし考 124
菊を焚く 126
大銀杏 127
達磨図 ―禅の末孫の風景― 128
Ⅱ 草花と問答
ゆきわりそう 130
ざぜんそう 130
さるすべり 131
白 蓮 132
紫陽花 132
白鷺草 133
鬼百合 134
曼珠沙華 135
秋ざくら 136
千 両 137
野あざみ 138
Ⅲ 生死の風光
はつまご 139
ほおずき 140
雪の子 142
地ふぶき 143
ゆきばな 144
厠 145
土 146
砂 147
おなじ天の下で 149
廃車置場 150
かざぐるま 151
あとがき 154
第五詩集 杉露庭のほとり (二〇一五年)
Ⅰ 詩禅一如
水の息 158
杉露庭のほとり 159
茶事独服 162
荼毘残光 164
華の念 165
生と死のはざま 167
開 浴 169
うらぼんえ 170
吊り橋 171
新地蔵歎偈 173
ナナカマド 174
銀杏の夢 175
行 乞 176
風 土 178
托鉢行 179
寒 180
雪景色 182
豪 雪 184
雪 泥 185
心字池 187
坐 188
Ⅱ 行脚偶成
万灯火 189
小又峡 190
大太鼓 191
またぎの湯 192
牛の樹 192
らかんさん 194
反魂譚 195
牛と虻 198
パーキング・エリア 199
光と影 200
カンボジア紀行 202
スリランカ 204
天地交響 ―ラヴェッロ国際音楽フェスティバルに寄せて― 205
雷龍の国 206
Ⅲ 家郷遊化
朝 市 209
かざはな 212
永遠の夕映えを背に
―詩人、泉谷連子を見舞う― 213
鶏・五題 215
あかんぼう 219
あだこ うだ 221
あだこ うだ ―つづき― 222
にぎりだまっこ 224
ひがんばな 225
からだせんさあ 226
牛馬の花 228
鉦 229
光の輪 230
水琴窟 231
むしおくり 232
水まんだら 233
どぶろく 236
天に駒跳ね 地に人の唄 237
あとがき 239
第一エッセイ集 ひとひらの禅 (二〇〇一年)
《序に代えて》いのちの脈動 242
Ⅰ 而今を生きる
草を取る 243
こころとは 244
ゆとり 245
洗 心 246
観世音 247
粗末にする人 248
本来の耳 249
五感の車からおりて 250
大愚の人 251
盗人の仏心 252
Ⅱ ひとひらの禅
ただ坐る 253
坐禅の十徳 254
もう一人の自己 255
息は踵でせよ 256
一事入魂 257
あるく禅 258
三黙道場 259
むきだし 260
組 む 261
一足半歩 262
Ⅲ 季節の中で
魂の餌 263
早暁の出会い 264
一殺多生 265
雪 竿 266
自然のサイクル 267
動中の禅 268
鵜 飼 269
停 電 270
豊熟を待つ 271
いのちと通いあう 272
Ⅳ 現代の生死
正月に、遺言を書く 273
死んで生きて、生きて死ぬ 274
老母の声 275
心耳を洗う 276
惚れる 277
大 黙 278
小さい棺 279
熊 280
息をひきつぐ 281
ありがとう療法 282
Ⅴ 仏心のありか
宿世の緑 283
一行三昧 284
笑 い 285
人間家族 286
人車一如 287
料理道 288
仏像について 289
板画の寂しさ 290
おにぎり募金 291
遺意経 292
Ⅵ 日々是好日
浄空禅院 293
百六十羽養鶏 294
仏音声 295
鳴鐘悟道 296
鐘 声 297
花の水 298
蚊 299
野 点 300
おもいやりの花 301
われ、いま、なにを 302
第二エッセイ集 生死のひとしずく (二〇〇三年)
《序に代えて》生死の鐘 304
Ⅰ 禅の風光
山水経 305
幼児のざぜん 306
恩 雪 307
さるすべり 308
雪国の人 309
ひとつぶせんつぶだあ 310
心の温かさ 311
知と行 312
挨 拶 313
白鳥にまなぶ 314
Ⅱ 生死のひとしずく
胎児のなげき 315
小さな骨箱 316
ただ坐る 317
坐 318
雨ニモマケズ 319
自然のサイクル 320
死を看取る 321
寺に棲む 322
沈黙と合掌 323
鎌原観音堂 324
Ⅲ 旅の水の味
底抜けの風光 325
母なるガンジス 326
御飯の七粒 327
果喰箱 328
天童寺 329
チベット僧 330
仏足紋様 331
洗 浄 332
山頭火 333
随流去 334
Ⅳ 日常底に立つ
森林浴 335
都合をはずす 336
人の情け 337
春のにおい 338
おかゆのご利益 339
有難う 340
康楽館 341
三角布施行 342
悪 口 343
昔話集 344
Ⅴ 行持する倖せ
有明の月 345
涙をあつめて 346
こころの掛け橋 347
寒修行 348
明るい仏たち 349
キャリーする 350
特派布教 351
托鉢行 352
こころのハーモニー 353
糞掃衣 354
Ⅵ 父母の恩徳
寂静の世界 355
観音信仰 356
笛の主 357
第三エッセイ集 やすらぎの埋み火
(二〇〇六年)
《序に代えて》ほとけ顔 360
息の章
「息」 361
随 縁 363
さくら 364
竹 365
寂静の音色 366
暗やみ体験 367
わたしをかえせ 368
横笛と自然 369
詩心の復活 370
魂の行く末 371
置き土産 372
立の章
「立」 373
モッショウセキ 375
輪 376
もったいない 377
達磨窟 378
未知の味 379
龍門石窟 380
らくだの鈴 381
莫高窟 382
得度式 383
頭陀袋 384
行の章
「行」 385
歩行禅 387
掃除の五徳 388
水琴窟 389
梵 鐘 390
北帰行 391
植樹祭 392
雨ニモマケズ 393
グリーンプラン 394
平和の泉 395
龍山寺 396
住の章
「住」 397
わらい岩偶 399
慈眼愛語 400
飛騨の里 401
受け皿 402
待つ姿勢 403
鎮魂のことば 404
位牌を抱く 405
お彼岸とは 406
竿 燈 407
鑑真像 408
坐の章
「坐」 409
ねはん雪 411
随聞記 412
蜂の骸 413
はだしと時計 414
生き地蔵さん 415
こども禅 416
老成の世界 417
水源地 418
外国人第一座 419
知性と長寿 420
臥の章
「臥」 421
小さなカメ棺 423
デクノ坊 424
求道者 425
第四エッセイ集 みちのくの風骨
(二〇一二年)
布施の章
「布施」 428
達磨を生きる 430
あっけらかん 431
撃ち方やめい 432
慰霊碑 433
茶室開き 434
断法のつぐない 435
冬越しの金魚 436
いのちの味 437
僧堂体験 438
てふてふの生態 439
道しるべ 440
太平の詩 441
愛語の章
「愛語」 442
梅花十徳 444
鶯と水 445
さぎ草と聖者 446
五島美術館 447
土空予科練 448
鳥の歌 449
和して同ぜず 450
長生きの法 451
N響の名演 452
フジコ・ヘミング 453
酵母やもろみに歌を 454
佛の声 455
利行の章
「利行」 456
ぶなを植樹 458
閑寂の庭 459
秋田内陸線 460
茶庭の石組み 461
サンライズ観光 462
ため息 463
あきた弁の詩 464
霊場恐山 465
掛け物 466
生きる喜び 467
食い初めの式 468
千年を貫く禅 469
カンナの花 470
同事の章
「同事」 471
遺 影 473
カヤの実 474
千年杉 475
禅の源流 476
スリランカの宗師 477
浄土の原風景 478
鎮魂の曲 479
アンコール遺跡 480
古都ウドン 481
禅体験 482
黙照光 483
大震災と日本人 484
奉仕活動と水仙 485
解 説
禅道に生きる詩人 山形 一至 486
『亀谷健樹 詩禅集』を味読して ─余人のなせぬ独自性の風光と音色を
鳴らす仏教禅詩人の消しえぬ魅力
石村 柳三 493
詩の道と禅の道との一体感のなかで ─その道は果てなくいまも続く─ 磐城 葦彦 502
「而今」の精神で永遠の今を生きる人
鈴木 比佐雄 508
年 譜 516
いっぷく 526