書籍一覧 新刊
長沼士朗評論集
『宮沢賢治「宇宙意志」を見据えて』
NHK盛岡放送局で宮沢賢治の番組などを制作していた長沼士朗は退職後に賢治の「宇宙意志」や「デクノボー思想」を探求していく。本書は賢治の精神に影響を与えた仏教思想、ウパニシャッド思想、宇宙の根源を求める帰一思想、妹トシを亡くした喪失感を見据えて、賢治が実践した他者の「ほんとうの幸せ」を辿る研究ノートである。(帯文より)
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解説:鈴木比佐雄 |
46判/312頁/上製本 ISBN978-4-86435-238-3 C1095 |
定価:2,200円(税込) |
発売:2016年3月28日
【目次】
序文
Ⅰ章
1 「宇宙意志」をめぐって
「宇宙意志」とは何か
タゴールが伝えた「梵我一如」
仏教の「山川草木悉有仏性」
仏教とウパニシャッド思想の調和
作品に表れる「まことの力」
自然現象と響き合う「宇宙意志」
2 「ほんとうの幸せ」を探す
妹トシを亡くした喪失感
鎮魂の「サハリン旅行」と輪廻の思想
『銀河鉄道の夜』の「ほんとう論議」
「本当の百姓」と「現実の百姓」
「自己犠牲の精神」
3 「輪廻の思想」をめぐって
はじめに
ウパニシャッドと輪廻の思想
無我説と輪廻の思想
西本清氏の「業報輪廻説」批判
輪廻する主体の存在
宮沢賢治の輪廻観
貪欲を廃し、自然の摂理に従う
4 「デクノボー思想」を考える
はじめに
作品「雨ニモマケズ」について
童話作品の中の「デクノボー」
山折哲雄と磯部忠正のデクノボー論
根源的な自由を志向する
映画『おくりびと』と「デクノボー思想」
Ⅱ章
1 童話作品を読む
①「水仙月の四日」について
「水仙月」とは何月か
雪婆んご、雪童子、雪狼について
「やどりぎ」について
②「黄いろのトマト」について
大人の世界と子供の世界
「黄金のトマト」の多様な解釈
「純粋な心意のまま生きる人間」
シュヴァイツァーの「生への畏敬の倫理」
③「土神と狐」について
2 文語詩の鑑賞
①「悍馬〔一〕」論争を中心に
②「われのみみちにたゞしきと」
③「銅鑼と看版 トロンボン」
Ⅲ章
1 セントライト物語
2 宮沢賢治国際研究大会
3 「マグロ塚を作る会」と「高木学校」
4 お金の話 ~テレビ番組をきっかけに~
はじめに
カメルーンの未開民族
メソポタミア文明 貨幣の誕生
古代ギリシャとローマ帝国時代、コインの登場
お金がもたらす発展と格差
貨幣的価値観について
貨幣で測れない価値
5 ヤナギランの咲く島を行く ~2005・サハリン旅行記~
はじめに
いざサハリンヘ
宮沢賢治の樺太旅行
サハリン鉄道で栄浜へ
オホーツク挽歌
二人の参加者
サハリンの韓国・朝鮮人
結び
宮沢賢治 年譜
参考図書一覧
跋文
著者略歴