アンソロジー
アンソロジー詩集
『生きぬくための詩68人集―死を越えて生を促すために』
死を越えて。とりわけ自殺という死と関わって、六十八人の詩人による、二百篇を超すアンソロジーが出現したこと自体、私にとっては奇跡に思える。年間三万人近くの自殺王国でありながら、自殺も鬱も(その他の精神疾患も)タブー視されている国だからである。(略)今回、六十八人もの詩人が、そのタブーを破り、深く心の奥に抱えていたものを一気に吐き出したということは、この国の地殻変動に繋がる最初の噴火のような気がしてならない。
( くにさだきみ解説文より)
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編者:鈴木比佐雄・くにさだきみ・佐相憲一・亜久津歩 |
A5判/並製本/336頁 本体価格1,500円+税 ISBN978-4-86435-172-0 C1092 ¥1500E |
定価:1,650円(税込) |
発売:2014年9月10日
【目次】
目次
浅見 洋子 序文
Ⅰ章
宮沢 賢治
松の針/無声慟哭/薤露青/眼にて云ふ
江口 節
「ごはんよ」/十六日─初盆/カレンダー/野分/星祭/昨日のごとく
宮田 登美子
水辺/陶器の人形/竹藪の不思議/土手の道/手紙
永塚 幸司
階段/彼岸/光を病む/死について/梁塵/音水系/妻の呼び声
鈴木 比佐雄
日の謎/祭りのあとからの祭り/日の跡
くにさだ きみ
ホタルブクロ/百日紅/踏み台/ギターの鼾/鉤/自殺の形態/(遺稿)ちぎ・けんいち お絵描きの時間/家庭用羊水/紅葉(くにさだきみ)
浅見 洋子
あしたは/迷う/旅の終わり/せのび/鏡/生きる
長津 功三良
ある未遂
西原 真奈美
幼年 あるいはふたりの夕焼け
宮﨑 睦子
波の音/短歌/カフェの窓/月のしずく/ガラスのこころ/再生
森 三紗
カシオペアの雫/レクイエム/罠
結城 文
イエローストーン国立公園
Ⅱ章
清水 美智子
空出張/生と死のはざまで/心の病/心の病 Ⅱ/風呂洗い/エビ/トイレの神様
伊谷 たかや
子猫/弱くなれ/死との対峙/小さな希望/愛しき人よ/当たり前のこと/小さな命よ/友と出逢って
羽島 貝
つむぎうた/いつもの朝、プラットホームで。/てのひらにスコップを/目を閉じて、瞼に感じる熱は。
志田 道子
遠く草千里で
佐藤 勝太
自死に耐えて/蹲る人/掌の染み/自戒/名もない花へ/詩は活力
かねまつ せい
to be or・・・/レクイエム
足立 進
鬱神/未遂/アブラカタブラチィチィンプイプイの プイ/愛の踊り子/桜色
武中 義人
〈君も生きて―〉/魂のみどり児/窓辺から―
梁川 梨里
月の花火/繭/眠りの棺
白井 雪路
気がつけば朝
はなもと あお
あの、感じ/さっちゃん/真っ只中にいるあなたへ
竹村 転子
死んだほうがいい人/ごめんなさい/会う
Ⅲ章
夜 遼旅
序部/契約/提案/殺すな/形式/解放/終部
村山 砂由美
仮面をはずして/悔恨/祭囃子/言霊
竹森 絵美
男前ラプソデー/さあねぇ/みんな闘っている/転じる
笠原 健
「病の闇から」より
亜久津 歩
世界が君に死を赦すから/なんにもないし/やわらかな未練/「かならず、」/どすぐろくきらめくそれを
富ゐ
アンノウン/何も言わなかった/アフターアフター/おめんをつくろう/アイノウ
平地 智
いっしょになにかできたならいい/次の週末によせて/
死は幸いなれど
草間 小鳥子
晩年のやさしさ/アメイジング・グレイス/ザントマン
モリマサ公
ポエム岬
宮岡 絵美
問い /喪失、再生へ/雨が降ると泣けるのは
金子 としこ
やわらかな決意/ハンモック
秋野 りょう
メメント・モリ、または桜。または、舞台。/きみへの手紙/八月の死臭、そして生きること。
Ⅳ章
二階堂 晃子
誰かに/みんななかよしでなくていい/おどろき/三S女子会物語
勝嶋 啓太
彼女は、多分、闘っていたのだ、と思う/見送り/友人は睡眠薬を飲まないと眠れないらしい/こわれゆく青空
田島 廣子
明さんの死/釜ヶ崎で生きる人達/六十一歳/わらい
宇宿 一成
眼差し/春雷/レッスン
こまつ かん
手を止めれば/背中
日下 新介
命を絶ったアイヌの子/若泉敬
矢野 俊彦
日本海/腸を洗う人 腸を売る人/七月最後の日曜日
名古 きよえ
離岸流/贅沢三昧/トン トン トン/トンボの目玉/強引な誘い/理想の鷹/単純と純粋性
天野 行雄
ボクを写し取った顔立ち/上野のさらに上のほう/ダブルクリック
大塚 史朗
自死についての考察
石村 柳三
《足の眼》の浄土/命あってこそ/自死者への悲しみの詩
香野 広一
無言の旅立ち/尊い命
Ⅴ章
武西 良和
祈り/祈り2/祠/朝の犬
星乃 真呂夢
光の岸辺へ/光の百合宇宙/希望
末松 努
裁判官の明日/世界はそこで香りを放つ/叫び/みかんせい/こころの処方箋/陽射し
岸本 嘉名男
我を見つめつつ/生きる
青木 善保
アリ地獄/星がよぶ/ある申立人
松本 一哉
引き籠りの君へ/生物たちの知恵―諫早にて
関 中子
どこへ/単なる疲労/電話と眠り/生きていくこと
稲木 信夫
時の拒否/腹切り/詩と愛の後に/つながりの連なり
河井 洋
十四歳/愛と希望の国の話
志田 昌教 歌=金谷 美穂子
金谷美穂子歌集『花のようなる夢』より
Ⅵ章
中村 純
影絵/友よ そしていとしいひとよ/つめたい白い足をさすりながら/ウーマンリブ(女性解放)/あなたに
佐々木 淑子
生命はまあるい/君を忘れない/知り過ぎたもの/警告
鈴木 文子
彼の場合/はるウララ
高畑 耕治
三陸、銀河鉄道。/弘前、恋ほたる。
小田切 敬子
あっというまに/原発で手足ちぎられ酪農家/道/鳴る太鼓
佐相 憲一
蛙の歌/ジョーカーの時間/がんばりやさんに捧げるうた~傷の応援歌~
木村 美映
回向
秋野 かよ子
ある「ことば」/おねがいします/箒/一年目
鈴木 悦子
足を止めたものは/鳥も 花も/お門違い/想像してみて
秋月 夕香
友へ/果てしない希望をもつために
解説
人は生きる イキモノだから くにさだきみ
「自殺」するかもしれないあなたへ 亜久津歩
命を記し、思いを伝えて 佐相憲一
死を越えて生を促すために結集した詩人たち 鈴木比佐雄