コールサックシリーズ

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金田久璋評論集
『リアリテの磁場』
金田氏は誰にもおもねらず、日本古来の民衆の暮らしの中の伝統文化を詩的に、また民俗学的に、探究している。そして、死者を含めた人びとの精神深くの声を聴きとろうとしている。そんな姿勢の氏に心から敬意をおくりたい。―佐相憲一・解説文より―

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四六判/352頁/ハードカバー/ISBN978-4-86435-171-3 C1095 ¥2000E
定価:2,200円(税込)

金田久璋評論集『リアリテの磁場』

発売:2014年9月24日



【目次】
第一章 古典と文化

もぢずり考  
有心から余情妖艶、幽玄へ  
仏像彫刻における造形表現の変化―高村光太郎・亀井勝一郎の定朝様式批判―  
睥睨する一休宗純―「一休和尚像」(墨谿)と朝倉文化― 
梅原猛著『地獄の思想』を読む  
綺麗さびの花―南禅寺塔頭金地院八窓席の場合 
はんなり考―日本人の精神文化としての花  
かざと風位 
今様に学ぶ  
「ハア、クッサメ」―「月見座頭」と「丼礑」を例に 
文楽の今後―伝統と創造 
命令形の祈り―室生犀星と原民喜の場合
宮沢賢治「ひかりの素足」はだれのものか 
フロンティア・スピリットの森 ―宮沢賢治「狼森、笊森、盗森」の聖地観念―
聖地と聖者の図像学―宮次男・水野僚子論文の要点―
火焰と水流―日本美術史における様式と意匠の発見― 
一衣帯水の彼我―「魚楽図」と「群魚図」 
『老子』の言葉から 
積み藁のある風景―モネ・カンディンスキー・リキテンスタイン 
無声であることの恍惚と不安―サイレントからトーキーへ― 
オルフォイスの音色 


第二章 水上文学の世界軸 ―マンドラゴラの嘆き、または樹下の死

一滴文庫の一滴の水脈
水上文学の世界軸 ―マンドラゴラの嘆き、または樹下の死


第三章 詩論の風

福井詩の明日に向けて①―率直に、かつ謙虚に
福井詩の明日に向けて②
 ―批判されていることは何か(その一) 
福井詩の明日に向けて③
 ―批判されていることは何か(その二) 
福井詩の明日に向けて④―「沼」論争ふたたび 
福井詩の明日に向けて⑤―詩作に即して 
詩としか名付け得ぬものの根拠について
 ―「現代の抒情と私の課題」の提言にかえて 
詩の行方
詩の行方・再考 
自在であること―詩作の要点 
マジックワード
「である」と「ですます」と 
第四章 時評抄

一篇の詩より―これら原生のさわやかなみぶるい(生野幸吉) 
『杉本直詩集』を読んで―事大主義を笑う精神 
「戯詩偽詩蟬」ノオト  
杉本直とはなにものであったか  
枯れない詩人・杉本直  
今ひとたびの漁村を―南信雄詩集『西高東低』を読む  
巨岩のトポス―岩をめぐる南信雄と前川幸雄の魂の位相  
「解体される詩」と「解体する詩」  
  ―川上明日夫詩集『月見草を染めて』の位相をめぐって 
川上明日夫詩試論―狐川・霊異の喩法 
『月見草を染めて』へのスピーチ 
松本信也の詩と真実―『独舟木』に寄せて  
小畑昭八郎詩集『語り部』の詩と伝承  
なたとしこ詩集『あじさいの時』の時 
末期の光景―大西ひとみの詩と死 
風土と述志―大西ひとみの「若狭」へのまなざしと愛憎  
没後二十年記念の詩の集い―大西ひとみの詩と人生
木と紙と少しの土の家へ―吹矢正清詩集『みだれた足跡』を読む
「僕」ではない「僕」のソネットである 
いい匂いの笑い―長尾さつきの詩 
坐百姓と土百姓の詩想 
「とげを磨く」ということ ―濱口国雄と山本新太郎の「とげ」の位相―  
たおやかな山姥の地母性―今村秀子のためのメモランダム 
岡﨑純「マッチ箱詩編」の詩とその時代  
杉原丈夫の民話研究と叙事詩の可能性 
耳塞ぎ餅・水止尻石塚・当石場の碑―宮本善一のこと  
うたの種子―『生まれない街』(砂川公子)を読む  

第五章 詩作とは私詩を書くまいとする覚悟なのだ

走る岡﨑詩塾のなかで  
『言問いとことほぎ』ノート  
論駁「件」の一件
詩「さざれいしの」創作覚書 
神は死んだか―近代的世界観の問題点
「陰木」もしくは「歳月の木」 
「ゴシック」の比喩―詩集『歌口』の著者として 
エピグラフとしての「歌」―詩集『歌口』から
馬、まぼろしの 
「火男」の〈私〉とはだれか
 長谷川龍生「選評」の眼識と慧眼―新日本文学賞の顛末
 言問うことば 

解説 
 古典から現代文学まで、独自に見つめる民俗学的・詩的迫真性
                    佐相憲一 
あとがき  

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