吉田博子エッセイ集
『夕暮れの分娩室で―岡山・東京・フランス』
このナイーブさ、取り繕わぬ正直さ、肉親のみならず道ばたの草木にも寄せる温情は、天性のものであるのだろう。その特質も歳月も重ねた今、したたかな文学精神へと繋がって行く様相を示している。ありがとう、吉田さん――と私は、お礼を言いたくなってくる。詩や文章に書きなずんでいる時は尚更に。〔帯文〕詩人 新川和江
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A5判/192頁/ハードカバー /ISBN978-4-86435-159-1 C1095 ¥1500E |
定価:1,620円(税込) |
発売:2014年5月26日
第一章 妖精好き
妖精好き
アヒルと暮らす
蛍に逢えた
嫁と一緒に―帯江の観音様
母の最期
百合の木
夕日と先輩
シュールな夢
今大切なこと
昇地三郎氏逝く
第二章 夕暮れの分娩室で―岡山・東京・フランス
華灯というお土産屋さん
第四福田小学校
二人の母と二人の父
働いた日々
東京日野時代と夫の徳島
吉行淳之介に会った事
夕暮れの分娩室で―倉敷に帰ってきて
大学生の頃
なんでもない日の大騒動
六十八歳糖尿病のわたしと七十八歳主人との
フランスまるごと大周遊九日間⑴
フランスまるごと大周遊九日間の旅⑵
入浴剤
古希を祝う 県立S高校同窓会出席
第三章 永瀬清子先生の思い出など
日野市に暮した折、永瀬清子先生の思い出など
私のもうひとりのお母さん 永瀬清子先生との思い出
ふっと顔をあげ遠くを見つめるような目をされるお姿
詩集『立つ』あとがき
塔和子さんおめでとうございます
中山秋夫さんの思い出
『空になった佳美ちゃん』橋本福恵 ―追悼 橋本佳美―
金光洋一郎詩集『黄道』を読んで
松田研之詩集『その朝』(手帖舎刊)
鷲谷峰雄詩集『果実詩篇』を読んで
門間久男詩集『葛飾ブルース』
杉本知政詩集『伝言』について
詩集『菜の花』に寄せて
吉田重子詩集『夜更けた街は』
江口節詩集『オルガン』を読んで
江本洋『50からの再挑戦』
~神童と呼ばれた僕の挫折~長い暗やみのトンネル、家庭内暴力、家出、
そして 永久の恋人 を読んで
ほんとうの詩人たる人 故 釼持俊彦さん 追悼
お祝の言葉 白河左江子さま
童詩
童詩 砂になった少女
あとがき
略歴
エッセイ「妖精好き」より一部抜粋
ある日、大きなお腹をかかえ、わたしの横に眠った娘。わたしはそんな悩みをかかえ苦しんでいました。いつの間にわたしも眠ったのでしょうか。その夢の中で、やわらかそうなレースの服をまとった妖精のようなふわっとした乙女が、天井から降りてきて大きなお腹をかかえた娘を、暖かく包む笑顔で抱きしめてくれたのです。
夢から覚めた瞬間、わたしの気持はふっきれ、しあわせな気持に充たされました。娘の思うとおりにさせればいい。ようすをみよう、と思いました。
大切な宝物を、娘は授かりました。障害のある子「たっくん」でした。今はその男とは離れ、働きながら子どもを育てています。わたしも命をかけて孫を守ろう、と、サポートしています。
優しい心を持ってくれればいい。それだけを妖精さんにいつも祈っています。