青天目起江詩集
『緑の涅槃図』
青天目さんの詩は、「今、生まれた/不思議なうれしさ/そっと掌に包み」生きていこうと自他に向けて希望や励ましを届ける詩だ。人がこの世に生まれてきた奇跡を想起し、福島の悲劇を乗り越えていこうとする精神性が詩の中に宿っている。(解説文:鈴木比佐雄 詩人・評論家)
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栞解説文:鈴木比佐雄 |
A5判/144頁/上製本 ISBN978-4-86435-145-4 C1092 ¥2000E |
定価:2,160円(税込) |
発売:2014年2月26日
【目次】
序詩 手のひらの華
一章 「緑の涅槃図」
この身の空
淋しさでできている
緑の涅槃図
魂の行方
自転と公転
システム VS 思い
皮膚の下のマグマ
胸の中
白い闇
熱き足裏
永遠を感じて
二章 「ふるさとの芽」
ふるさとの芽
土
朝露ジャンプ
つぼみ
実の花 菜の花
花菖蒲
雨の記憶
胡桃の中身
夏夜風
柑橘類
地に染みる雪
三章 「かわいい石ころ」
太陽は見えているか
車間距離
助手席
価 値
風のすそ
「飼育する対象」
紙っぺら一枚の重さに
優しい覚悟
かわいい石ころ
好きなもの
さよならバイパスおかえりバイパス
四章 「何に向かって」
草むしり
流しにて
拝啓 家族の皆様へ
そうじ
「手」
燃やせ、虚無の鉱脈を
世界で一番硬い膜
水仙の一室
何に向かって
あとがき
略 歴
「緑の涅槃図」
車のフロントガラスから
ハの字に広がる緑の稜線
津波が思い出を喰らっても
原発の棘が刺さっても
僕らのこの場所が美しいと思える
その心がある
失ったものと
乗り越えてゆくことが
今は近すぎて見えないけれども
車のフロントガラスから
ハの字に広がる緑の稜線
おしゃか様の涅槃の姿のように、
美しく
きっと生きている者、
亡くなった者の想いが集まって、
美しく
どうか、どうか、今は安らかに
全ての真心が報われますように