黒田えみ詩集
『わたしと瀬戸内海』
瀬戸内海に住んでいたんだよ/ナウマンゾウがいう/大陸と陸続きの森林だったから/仲間がいっぱいいた/ニンゲンもいた/今のニンゲンとは違うけれど/狩りの好きな野蛮人/昔も今もニンゲンは野蛮人
(帯文:「瀬戸内海のゾウ」より)
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四六判/96頁/ソフトカバー ISBN978-4-86435-131-7 C1092 ¥1500E |
定価:1,620円(税込) |
発売:2013年11月5日
【目次】
一章
瀬戸内海のゾウ
瀬戸内海のドンガメ
瀬戸内海の干拓
瀬戸内海の塩田
二章
亀島山とわたし
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
三章
瀬戸内海の戦乱
瀬戸内海の変貌
あとがき
略 歴
「瀬戸内海のゾウ」
瀬戸内海に住んでいたんだよ
ナウマンゾウがいう
大陸と陸続きの森林だったから
仲間がいっぱいいた
ニンゲンもいた
今のニンゲンとは違うけれど
狩りの好きな野蛮人
昔も今もニンゲンは野蛮人
化石が博物館に並んでいる
瀬戸内海に住んでいた生き物たちだ
大陸から離れて
海水が入ってきて
森林がなくなり
島の多い内海になった
ニンゲンは他の生き物のことを考えない
干拓 埋め立て 塩田 住宅
食料増産 工場建設
戦争をする 爆弾を落とす 魚雷を落とす
ごみを捨てる ガレキを捨てる 重油を流す
海底工事をする
海上に橋を架ける
排気ガスを撒き散らす
海底には生き物たちの化石が折り重なっている
ニンゲンの大人よりもずっと大きなゾウの子が
見学に来たニンゲンの子どもたちに説明している
漁師の網にかかった化石を
貴重品だと気がついたニンゲンがいたんだよ
ニンゲンは海が森林だったことを知らず
海底が山頂になることを知らず
山が海になることを知らず
地球は宇宙の霊力で動いている
太陽も 星も
大宇宙の生命体なのだから
何でもできるとニンゲンは思っている
これから どうなるのか
ニンゲンは知らないんだよ