外村文象詩集
『秋の旅』
岩は何も語らず/黙したまま/風に吹かれて/枯葉が舞い落ちる//紅葉にはまだ早い/摂津峡の樹間からのぞく/秋の空(序詩「摂津峡」より)
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栞解説:鈴木比佐雄 |
A5判/160頁/上製本 ISBN978-4-86435-111-9 C1092 ¥2000E |
定価:2,160円(税込) |
発売:2013年8月23日
【目次】
序詩 摂津峡
第一章 秋の旅
ふるさとの喫茶店
春の京の街を歩く
球春の沖縄
日南海岸
JAZZの街 高槻
ちばりよう
薪 能
追憶の芦の湖
夏の旅
富士山
秋の旅
寒風が吹きすさぶ中を
第二章 宮沢賢治の東北
宮沢賢治の東北
ヒロシマ二〇〇八
東北の夜空に花火
風船爆弾
知覧 再び
リスボンの街で
セビリアの街で
弾 痕
リトアニアの旅
詩の国へ
カリフォルニア
レンガ色の街で
トニー先生
中国との信頼
旅から帰って ケンジントン宮殿前
第三章 面 影
面 影
花の咲かない季節
ある鎮魂歌
けやき
ある挽歌
友を送る
軍医の息子―川崎彰彦に
仏の顔―中村 隆に
詩人は献体を申し出ていた
追 憶―大井康暢さんに
第四章 花のある風景
歳月重ねて
余 命
烙 印
記憶が消える
縁あって上州の地に
遠くない日にぼくは
冥土の土産
詩人は
花のある風景
あとがき
略 歴
【詩篇紹介】
「秋の旅」
十月中旬に徳島への旅に出た
紅葉にはまだ早い
秋晴れの空は澄み渡っていた
明石海峡大橋を渡り
淡路ハイウェイオアシスで休憩
美馬市脇町のうだつの町並みで
スケッチを 店の前に美しいおかみさん
大型バスは山道をくねりながら登る
秘湯 祖谷温泉のホテルかずら橋に宿泊
翌朝 かずら橋附近でスケッチする
渓流の流れは速い 岩にくだけ散る波
山肌に家を築いて生活している
平家の落人が住んだと言われる里
秘境を訪ねて人は何を思うのだろう
帰路に丸亀市の猪熊弦一郎現代美術館へ
学生時代「小説新潮」の表紙絵に親しんだ
猪熊は表紙絵を四十年も描き続けた
その後二十年間ニューヨークに滞在した
美術館の建物の斬新さ
イギリスのマンチェスターから
二女はカリフォルニアのサンノゼに移った
サンノゼはハイテク産業の街
先日他界して話題となった
スティーブ・ジョブズは
カリフォルニア州で生まれている
一年中温暖の地のようだ
いずれ訪ねる日もあるだろう