『関中子詩選集一五一篇』
いつまでもなげいていれば/ぴちゅぴちゅと春の鳥/飛んでいこうか//丘は広く/丘はあたたかく/丘の向こうを求め/丘の木にのぼろう//南東の汽笛の音/夜空に明るい都会のベール/外国につづく青い海(詩篇「とある丘で」より)
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解説:山本聖子、佐相憲一、鈴木比佐雄 |
四六判/176頁/上製本 ISBN978-4-86435-119-5 C1092 ¥1500E |
定価:1,620円(税込) |
発売:2013年8月8日
【目次】
第一詩集『忘れられない小鳥』より
とある丘で
未来のこと
雨の夕暮れ
車窓の雨
停車時間
冬の雨
一晩のこと
菜の花
ふでりんどう
蘇 芳
緑の小道
掃 除
紫陽花ひかる
わすれられない小鳥よ
狂気のように
第二詩集『バランス』より
青の誕生
静かな午後
夜 に
バランス
あなたに会った時
別 れ
夜と昼と季節と思い出と
第三詩集『涼やかな風にのって』より
暗闇坂
夕焼けが家をとりまいて
からす揚羽
夏は用意する
蝉
あなたのこと
あなたのなかにいるということ
瑠璃の橋へ
橋の名前
第四詩集『空をください』より
空をください
小旅行
冥 福
ごきぶり
風
面 影
緑色の塔
七福神
夏が来たのだ
こ ま
第五詩集『ちゅうりっぷ犯罪』より
ちゅうりっぷ犯罪
朝のあり
未 練
さよなら
だじゃれ
八月という暦のために
おかえりなさい
いつか空につく
雲に会う
饗 宴
母のいない夜
凍 死
第六詩集『月は登っていますかたつむり』より
月は登っていますかたつむり
どう計算を合わせようか
第七詩集『鳥の歌』より
オレンジ色の花が
鳥の歌
染 み
プラタナスの葉
春風が吹いた
見えない電話
あなたはお元気ですか
ねむれ おさかな
第八詩集『夢現』
(初版旧題『もうきみはクヌギじゃない』)より
樹間の道
また会えるなら
過ぎ去る心
どんぐりの実が落ちる頃
第九詩集『木のない森』より
木のない森
バスターミナル
銀 色
木のように
それは つまり
ある時
飢えていた
改 名
街を知る日
小さな命
蝉
野はまた
街
第十詩集『町と人と旅だつ樹』より
昔 ここに川があった
他 人
月と観覧車
夏 よ
おお 季節よ
第十一詩集『枇杷になる日のために』より
おいしい料理店
告知板
フトンカバー
秋の旅
きりん
せ み
四つの影
名 前
摂 理
風が吹く街
徳生池への遊歩道
登 る
枇杷になる日のために
姿
明日はあるか
少年に会う
その位置
優しさ
別 れ
空の器
花の町
その家
第十二詩集『しじみ蝶のいる日々』より
たわむれに
四月十日
四月十二日
しじみ蝶
いちご
ギター弾き
虹が生まれる(雨の日は水に歌を)
波 ―ささやかな日々―
死 者
かたつむりの未来
第十三詩集『夏のひかり』より
二つの湯飲み
赤い口
薔薇の時間
戦争が始まる
新 聞
あらゆる黄色
夏のひかり
第十四詩集『話すたびに町は旅する』より
どこから
まずは霧について
霧に包まれて
出会い
若い男
町というからには
わたしが好きな土地
花のように地を這って
思 い
ずっとここに
後からくる者
第十五詩集『愛する町』より
愛がいるところへ
夜想曲『魅了』
産 声
少女の仕事
ひとつの話
都市の心臓
不都合な日
五十階が珍しくなくなって
空のわすれがたみ
愛する町
帰 宅
詩集未収録作品より
心の際が足を求める
こころの孔 心孔
第二第三の衝撃
二人でいると
約束のようにやってくるものを
解 説
町から街へ 展かれた詩想をたどる 山本 聖子
自然界と人生の思いに飛翔する心のうた 佐相 憲一
早淵川のほとりで原風景と語り合う人 鈴木 比佐雄
略 歴
【詩篇紹介】
「とある丘で」
とある丘で
ほこほこと陽はあたり
目にしむは青空
竹はさやさやと遥かかなたまでさやぎ
平地は青く
白く光るは水
対岸に桜、つぼみはびっしりと空に命を張り
明日はなんとなく夢あり
人、微風に吹かれし
丘をめぐり
丘をくだり
丘にかえり
丘にねころぶ
つらかった昨日のさみしい心
赤い山椿ににている
大地におちてもまだ咲いている
いつまでもなげいていれば
ぴちゅぴちゅと春の鳥
飛んでいこうか
丘は広く
丘はあたたかく
丘の向こうを求め
丘の木にのぼろう
南東の汽笛の音
夜空に明るい都会のベール
外国につづく青い海
一枚、二枚、三枚
黄色いたんぽぽの花
風にふかれて、願いの先からいってしまう
時間は退屈なほどあり
夢は次々とうかび
喜怒哀楽は激しくなだめていた日々
それはきのうのこと