志田静枝詩集
『踊り子の花たち』
大阪交野の四季に深まるもの、
故郷・長崎の遠く熱い思い、
そして、菜園と野のあるくらし。
花に託した詩の心が生きている。
(帯文より)
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栞解説:佐相憲一 |
A5判/160頁/上製本 ISBN978-4-86435-112-6 C1092 ¥2000E |
定価:2,160円(税込) |
発売:2013年6月17日
【目次】
序詩 踊り子の花たち
一章 大阪交野の四季
晩秋―交野路―
師走の親子
冬の山間
冬の蝶―福中都生子さん―
煎茶の時間
春の雪
真夜中のラブコール
宇宙人
郡津神社
亀の親子
文化祭
百科事典
めはり寿司
売り込み
光の群れ
風の谷間
二章 長崎、平和、ユーラシア
日記のように
光る傷跡
縁の糸
夏の日
夕焼け雲
イヤリング
そば米
舞い揚がる
諫 早
特攻花の咲く丘
プルーム流れる空
月下美人
龍のひげ(ヨンスヨム)
山苺ワイン(韓国にて)
王宮殿に降る雨(韓国ソウルにて)
ラーマとシータ
学びは夢
ワレモコウ
燃える夕日
三章 菜園と野のあるくらし
種の配達人
なた豆
アスパラガス
実りの秋
トマト
大根漬け
切り干し大根
チンゲンサイの花
ジンジャーは恋の花
イソトマ揺れて
雪に咲く花
宵に咲く花
あとがき
略 歴
【詩篇紹介】
序詩「踊り子の花たち」
風と遊ぶ花がある
ひらひらと蝶と遊ぶ花がある
厳しい夏の日差しのなか
立葵の花の赤
恋する女の紅の色
女は無くした恋にため息ひとつ
残して去り
いつか私も紅の花を褥に眠り
泡沫の 夢など見たいもの
特攻花ともいわれる
黄色のうさぎ草長い首を揺らし
平和の歌をうたっている
薄暮に香る真っ白のおしろい花
彼が待つ神社の石段を
登る少女の瞳に宿り
一途な恋の花を咲かせている
初夏から開いて ひらく
黄花コスモスは
秋の秘密をしっかり抱いて
揺れている 風の花びら
百日草やコメ花は私に幼い頃の
記憶を手繰り寄せ 呼び起こす
ビロードの服を着た赤紫と
白の小花は荒れた心を耕し
癒してくれる
真夏に咲くなすびの花の紫色は
私の胸でブローチになって
競いながら咲いている
踊り子の花のコスモスは風に揺れ
つかの間ダンスを踊る
しなやかに 柔らかな蕾の唇開き
そばを通る女たちを呼んでいる
白やピンク・レッドのコスモスが
首をながくして踊るのは
あなたに会いたいから…
一瞬風が止み 立ちどまった
ふりかえり 徐々に…
女たちも赤い唇を開いていく