その人間のしんの優しさを/わかる人は/尊いことだ/その人のかくれた優しさを/みつけられる人は/人の心の尊さが/わかる者だ/うれしい人だ/そんな人とは心の底から/笑える/そんな人とは心の底を/みんなみせられる
(「しんの」)より
解説文:井奥行彦、三方克、鈴木比佐雄 |
四六判/160頁/上製本 |
定価:1,542円(税込) |
発売:2010年3月25日
【目次】
第一詩集『花を持つ私』(一九六〇年刊行)より
夢の中から 10
犬のとおぼえ 10
夜と私 11
モンナ・リーサ 13
花を持つ私 14
十六の曲がり角 14
まめむき 15
第二詩集『影について』(一九六八年刊行)より
弟 16
えんじ色の小菊 17
赤紫色に染まった空の中にもう一つの
私の身体が流れこんでいます 17
私の湖 18
ゆ め 19
私は多分軽卒だったろうか 20
すすき 21
竹原古墳の壁画を見て 22
古い山に向かって 23
第三詩集『石仏のように』(一九七四年刊行)より
風のように 24
思う姿勢のまんま 25
おとうと 26
わたしを貫くもの 27
三原市仏通寺の石仏を見て 28
岩堂阿弥陀磨崖仏を見て 29
石仏のように 29
春の家 31
第四詩集『雪をください』(一九七九年刊行)より
雪をください 33
まんさくの木 33
自分の翅でしんから鳴くのは 34
死 35
夢みる事 35
一本に 36
夕だち 37
第五詩集『わたしの冠』(一九八二年刊行)より
陣痛の時 37
分娩室 39
ふたり 39
麻酔の時 41
待合室 42
ひまわりのように 43
ふるさと 43
目を閉じる 44
朝顔とともに 45
におい 45
朝の郵便局 46
シーソーゲーム 47
わたしの冠 48
第六詩集『野鳥へのたより』(一九九〇年刊行)より
いのち 48
一日の終りに 49
夕だち 50
夜の闇がなぜか明るく 50
朝 51
ハ エ 52
仕込み日(暑い日に) 53
みつけた一円 54
野生から人口へと 54
仕事場 55
嬉しい日 56
野鳥へのたより 56
わたしの詩を 57
人間であることがいやな日 58
潮の時 59
第七詩集『月の夜』(一九九七年刊行)より
花 梨 60
喫茶店にて 60
あこがれ 61
おんな 61
虹 に 62
春の脇役 63
ル ナ 64
鯉が窪の湿原 64
清らかに 65
もしも 65
彼岸へと 66
月の夜 66
樫 67
娘の星 67
第八詩集『立つ』(二〇〇三年刊行)より
立 つ 68
生きもの 70
心がいろどられる 71
母 72
いつかそんな詩が 73
風の中に―詩友が逝って 74
星月夜 75
いのち Ⅰ 75
いのち Ⅱ 77
顔 77
雨がえる 78
その男 79
仮 面 80
白夜のように明けそめて 80
エスポワール(希望) 81
川にも 81
サンピラー 82
目にみえない誰かに 82
第九詩集『咲かせたい』(二〇〇五年刊行)より
咲かせたい 83
ふるさと 84
ある時は 85
入 院 87
川に落ちて 87
女とナベ 88
ばあちゃん死んだら 90
たっくん 90
みつめたら 90
しんの 91
早 朝 91
青の人 92
旅して 93
白石踊 94
待 つ 96
祈 り 97
第十詩集『いのち』(二〇〇九年刊行)より
たっくんと娘 98
長靴を履いた娘 99
わたしの宝物 100
やもり 101
ハムスターのお母さん 101
川の字に寝ていたら 102
芽をだしたナタ豆 103
いつも揺れて 104
奇跡の生命 104
母 と 105
母 105
母を見つめる 106
今やっと 107
畑 で 107
そら豆 108
とうがたつ 109
祈りの姿 110
うしなう 111
まんさくの木 111
ほんとうに 112
無意識のようにした事 113
備前へ 114
片上行き 116
ぼんささげ 117
痂 118
音を聞く 118
空 119
死のかたち 120
犬とわたし 120
虹色にひかる 121
白い花びらのように 122
あかるいあかるい光の中で 123
その橋の黒ずみは 124
いのち 125
未収録詩篇
ガロアムシ 126
母 127
畑 で 127
命の尊厳 129
ジョン 130
婆藪仙人像 131
血とわたし 131
温泉にて(十二月八日の誕生日に) 132
この広い海のなかから 133
解説・詩人論
「吉田博子さんについて」 井奥行彦 136
「吉田博子論」 三方克 139
「しんの優しさ」を共に生きる人
鈴木比佐雄 144
略 歴 154
詩篇を紹介
しんの
その人間のしんの優しさを
わかる人は
尊いことだ
その人のかくれた優しさを
みつけられる人は
人の心の尊さが
わかる者だ
うれしい人だ
そんな人とは心の底から
笑える
そんな人とは心の底を
みんなみせられる