四国八十八ケ所の遍路を二度歩いた著者が〝無理をしないお遍路〟を教えてくれる。遍路の世界が世代を超えて、人々との交流と共にありありと書き上げられている。
仏教思想との対話も生きる知恵を与えてくれ、読んだ後に希望が湧いてくる。
四六判/248頁/ソフトカバー |
定価:1,542円(税込) |
発売:2010年3月2日
【目次】
下村和子君に 加島祥造 1
Ⅰ 遊びへんろ
序 遊びをせんとや 12
初めての旅はネパール 14
四国霊場八十八箇所MAP 18
春遍路 20
遊びへんろ日記
(一) 四十九番浄土寺から 24
(二) 五十四番延命寺から 44
(三) 六十八番神恵院から 63
(四) 二十八番大日寺から 86
(五) 三十七番岩本寺から 108
第一回目の四国八十八ケ所結願 122
無常を生きる 130
花へんろ 134
Ⅱ 禅寺の食事
禅寺の食事 140
フード・シェアリング 142
伊那谷の風 146
お地蔵さん 150
鳥辺野 石川 淳『紫苑物語』 154
信 楽 水上 勉『しがらき物語』 158
六甲山麓に〝人間〟をたずねる小さな旅 大岡昇平『野火』 162
二上山は大和の影そして 五木寛之『風の王国』 166
Ⅲ 七千年の知恵
屋久島の縄文杉 174
七千年の知恵 178
常行一直心 ―盛永宗興老師のお導き 180
深夜の比叡山 無動寺谷 ―人が仏になる一瞬 186
鈴に聴く 194
私の宗教観 208
私の詩の方向 ―三師に導かれて 212
中間ランナー、そして渦 218
失った家 222
熊野の道 226
青を求めて ―戦後六十年、挫折の連続の中から 228
詩 まんまるに まんまるに 232
参考文献 238
あとがき 240
略 歴 242
「帯文」を紹介
意識はいつも
淋しがる
命はいつどこにいても
淋しがらない
意識はいつも
求めるけれど
命はいつどこにいても
求めない
意識はいつも
あちこち走ってゆく
命はいつも
いまいるところにいる
両方を
受けいれる
抱きしめてやる―
すると
自分の哀しさを
愛しむようになるだろうな
帯文:加島祥造(作家)