天山山脈のふところの天池のほとりに立ち 七色のさざなみを眺めていたとき ふと湧いてきた想念があった ……人類が流した涙がここに溜まっている (「天池」より)
解説文:日原正彦、大掛史子、相沢史郎 |
四六判/240頁/上製本 |
定価:1,542円(税込) |
発売:2009年11月1日
【目次】
第一詩集『盲導犬』(一九七三年刊行)より
お祭り 10
馬 13
きつね 14
降誕祭 15
三陸沿岸大火 18
愛 21
仮 面 23
千の日と夜 24
一粒の籾 25
死 神 27
終電車帰り 29
おいとま 30
北海道大学植物園にて 32
盲導犬 33
第二詩集『カッコーが吃っている』
(一九八三年刊行)より
イカル 34
墓地整理 36
大きな栗の木の下で 37
カッコーが吃っている 38
四人の人夫 39
早池峰登山 41
根岬の梯子 42
槻沢鬼剣舞 43
螢 45
八月十五日 胆沢川で 47
恐山にて 48
五つの子のための五つのメルヘン 50
右耳のつぶれた男
イーハトーヴォ イリュージョン 53
へ び 55
先 発 56
冬の小さな林―小さなきみに 57
谺―故 高野善一氏に 58
寒立ち 60
第三詩集『フクロウの卵』(一九九四年刊行)より
フクロウの卵 60
さくら 61
虹 63
街の小さな田圃 64
かなしみ 66
ダリア 67
牛祭り 68
タイの犬 70
スリランカ 71
夕 日 73
ナクル湖にて 74
ハーモニカ 76
パラグアイの牛 78
アルマジロ 79
花見川 83
レクイエム 高橋長光君に 84
父の喪 86
寒牡丹 87
ガンリン 88
探 す 90
第四詩集『満月の馬』(一九九九年刊行)より
やまかがし 92
はばたくフクロウ 93
満月の馬 94
ひとの河 96
白い年賀状 97
サバンナ 98
鈴虫サン 99
老 牛 101
焼 香 102
ベンケイ 103
渡りの朝 105
ことしのさくら 106
感受性 107
還暦同級会 109
合歓の木を伐る 110
更 地 111
インドへ行った息子に 113
第五詩集『獅子座流星群』(二〇〇三年刊行)より
あやとり 114
トラジャの樹 116
春 夜 117
馬 118
防空頭巾 119
飛行機―石川啄木に 121
ばんか 122
誕生日 123
犬を洗う 125
小天地 126
ゆき・ゆめ 127
聖 牛 128
聖 地 129
ガンジス河 130
バラナシにて 132
鏡 134
獅子座流星群 136
長距離ランナー 138
五体投地 138
夕焼け 140
難 民 141
「ああ」 142
第六詩集『乳粥』(二〇〇六年刊行)より
乳 粥 143
天 池 145
勝山号 146
がんじがらめ 148
吼えている山
―日露戦争開戦百周年に当たり激戦地を訪ねる 150
敦煌の町を歩く 151
待ってください 152
明日から来る今日 153
金色の狐 155
深夜の酒宴 156
この広い野原いっぱいの草 158
三本の樹 159
グ・ズ・ダ 161
ミイラと少女と二羽のスズメ 162
隠れびと 164
誘蛾灯 165
微 笑 166
生前墓 168
神秘から謎までの日日 169
二つの腕時計 170
風と雲と空と太陽と 171
人類文化学園共働農場―伊藤勇雄氏に 172
未収録詩篇Ⅰ
へその緒 174
山上の墓地 176
声 177
螢の木 178
おれはクマだ 178
初 恋 180
ためらい傷 181
蘇民祭に行こう 182
未収録詩篇Ⅱ
短詩十編 184
カワセミとフクロウ 185
きらっと 187
さりげない朝 187
幕張本郷から新検見川まで―石村柳三に 189
走る少年 190
雪迎え 191
子犬のいびき 192
十三日の水曜日には 193
海 195
花 火 196
未収録詩篇Ⅲ
仰向け男 197
朝顔と入道雲とみんみん蝉と 198
祈 り 199
九段坂 200
青い牛の背に跨って 201
ルーシーとアンサリ 203
書かれなかった詩 204
詩 よ 206
解説・詩人論
「乳粥の味」 日原正彦 210
「朝倉宏哉さんの血脈の床しさ―一ファンからの証言」 大掛史子 218
「朝倉宏哉・初期詩集を読む」 相沢史郎 226
略 歴 234
【詩を紹介】
天 池
天山山脈のふところの天池のほとりに立ち
七色のさざなみを眺めていたとき
ふと湧いてきた想念があった
……人類が流した涙がここに溜まっている