中村藤一郎詩集
『神の留守』
線路のそばで ねころんでいたら/貨物列車が風を切って通った。/ 真白い車の間へ、ちょっと足を入れて/ みたくなった。(帯文「車輪」より)
栞解説:鈴木比佐雄 |
A5判/208頁/上製本 |
定価:2,160円(税込) |
発売:2009年11月1日
【目次】
第一章 むかし戦争があった
雨 12
天象儀の爆音 14
本所・深川の乙女達 18
むかし戦争があった 22
本日休業 28
あたし 今 生きています 30
わたしの時間 36
ある寂寥 42
第二章 二一天作の五
二一天作の五 50
鞴 52
陶 房 54
べんがら ―光学ガラス研磨工場にて― 56
実験について 58
実験について Ⅱ 62
地獄への階段 66
回転する歯車 70
O型の脚 74
開墾地 78
第三章 精一杯生きた母に
山に登って 84
序 曲 86
立 春 90
春 94
春 眠 100
白い静かな雨が降りだした 104
みどり色の触感 108
橋を渡る 110
仰ぐ空は青空でなければならない ―足尾にて― 114
曲った絵 116
白痴の言葉 120
未決ということ 124
精一杯生きた母に 126
泡 132
宿 痾 K病院待合室にて 136
第四章 「神の留守」 141
あとがき 202
略 歴 206
【詩を紹介】
車 輪
線路のそばで ねころんでいたら
貨物列車が風を切って通った。
真白い車の間へ、ちょっと足を入れて
みたくなった。