(詩「世界が君に死を赦すから」より)
栞解説文:鈴木比佐雄 |
A5判/160頁/上製本 |
定価:2,160円(税込) |
発売:2008年11月30日
【目次】
序 詩 遺してゆく日々
第一歩 世界が君に死を赦すから
世界が君に死を赦すから 14
約 束 16
星クズが煌いている 18
一粒でも 21
独り言 22
泣く狢、雄 24
泣く狢、雌 26
無を内包する玉葱、一 28
無を内包する玉葱、二 30
無を内包する玉葱、三 33
第二歩 あざやかなる日々
ずっと 36
えられないもの 39
瓦礫の上 42
紅い嵐 45
最も不確かな確か 48
窓辺の小瓶 50
白の頃 53
あなた 55
届いては、ならない手紙 58
あざやかなる日々 61
第三歩 神の玩具
今日が産まれる瞬間、東京は墓標になる
―東京タワーにて 64
神の玩具―新宿・都庁前にて 67
二十七歳、葛藤はバターになるか 70
掌 74
ホカニナニガ 76
震度ゼロ 78
終末論にも飽いた頃 81
手品の妙 83
つかさどるは、掌 85
ひとつの 88
第四歩 群青の部屋
群青の部屋 92
任意の一夜 94
飽和する静寂 96
ほんじつの予定 98
つりにゆく 100
たすけて、せんせい 102
大丈夫 108
彼は空を飛びたかった 110
第五歩 うつくしい、世界
地下鉄の風、日常の淵 114
無関係性についての一考 117
ある七日間、真夜中のメモ
―いつか無言に辿りつくため、今はまだ書くしかない 120
うつくしい、世界 126
やわらかな未練 128
黒犬とワルツを 129
36度の残像 134
お昼寝賛歌 136
ハロー・ハロー 138
現 点 このわたし。の遺書
だから、温度 142
これ以上に、かなしいことなど―おまえを埋めた夏 145
ただ、あなたは 147
このわたし。の遺書 150
不純物の膣 152
ラヴコール 154
あとがき 158
略歴 160
【詩を紹介】
世界が君に死を赦すから
もっともらしい価値や望みも
剥がしてしまえば単なる飾り
「世界」は君に死を赦す
綺麗事ならもういいよ
死んでは「いけない」の意味で
繋いでみせて、神を乞う人
「世界」が君に死を赦すから
今夜も私は破戒をうたう
―いいかい、これから勝手を言うよ
私は君の死を許さない
絶対に許してやらない
何の事情も、関係ない
死なないでくれますように
祈りは誰かにとどくのかい
誰かが叶えてくれるのかい
私には、君に頼むほかない
君よ死なないでいて
死なないでください
死なないでください
足りないの
もっともっと願うから
生きてください。