大掛史子詩集
『桜鬼(はなおに)』
第四十一回日本詩人クラブ賞受賞!
夕闇はほどなく漆黒の夜となるだろう
佇ちつくす夜闇の底にも花びらは振りつづけ
やがてこの身も書き散らした言の葉もろ共
幾ひらかの花びらになり果てるだろう
冷たい虚空のはりつめるなかで
佇ちつくす夜闇の底にも花びらは振りつづけ
やがてこの身も書き散らした言の葉もろ共
幾ひらかの花びらになり果てるだろう
冷たい虚空のはりつめるなかで
(詩「桜鬼」より)
栞解説文:鈴木比佐雄 |
A5判/128頁 /上製本 |
定価:2,160円(税込) |
発売:2007年7月25日
【目次】
1章 桜 鬼
桜 鬼 12/桜 鬼 Ⅱ 16/桜 鬼 Ⅲ 20/オカメ 24
オカメと衣通─結城農場さくら見本園にて 28/詩劇「さくらこ」 32
うつそみの人なる我や 38
2章 モーツァルトの庭
草庵の春 44/空席の花 48/モーツァルトの庭 52/女三人のモロー詣で 56
てぶくろ 60/そのひと 64/旧 友 68
3章 海の贈りもの
海の贈りもの 74/あなたがペンを奪われたとき─金子みすゞに 78
宝珠の便り 86/白い風を待つひと 90/「天上の青」 94
陽に向かって 98/供 物 102/花の一日 106
4章 阿修羅像二題
阿修羅像に恋した男 112/ 阿修羅像を造った男 118
あとがき 124