現代の学校が抱える暗闇に鋭く切り込みながら、
作者の視線はあくまでも、
人間への根源的な愛に満ちている
芥川賞受賞作家 小川洋子(帯文より)
解説:青木多寿子 |
A5判/208頁/ソフトカバー |
定価:1,620円(税込) |
発売:2007年7月9日
第一章 いじめという「ケガレ意識」と「快楽殺人」
(一)死に追いやられた子どもたち 14
いじめが現れるのは氷山の一角 18
弱い子(先生)はいない、ただケアの必要な子(先生)がいるだけだ 19
いじめに気付かない先生 22
教師が生徒と一緒になっていじめをしてしまう場合 23
弱者の立場に立てない教師はいじめを助長する 25
古典的ないじめに対して親ができること 27
いじめの濡れ衣を着せられた場合 29
(二)いじめの土壌である困った親たち 32
「カオナシ親」の暴動を許すな 32
「カオナシ親」にひれ伏すのをやめるべきである 35
(三)「快楽殺人」に向かういじめの深層 37
自分とはちがう、という理由付けの末のいじめ 37
愉快犯的いじめ 38
(四)「ケガレ意識」に加担する先生たち 40
いじめの立体構造 40
ケンカといじめの見分け方 42
いじめは根絶やしにしないと、復活する 43
心理的ないじめについて 44
いじめの理由は、ケガレ意識 46
卑怯者度を隠すための正当化 49
転機になった〇六年 51
いじめはイチャモン・犯罪であると分からせること 52
いじめの一因は、完璧主義の先生 54
いじめの主原因は、寂しい気持ちをもっているリーダー 55
凸と凹と□型人間 56
いじめをなくすには 61
学校側がいじめを解決できない場合 64
保健室登校という避難 66
学校にいじめ隠しをさせない 67
教師たちが、こう指導しなければ、いじめはなくならない 69
力によるいじめは力によって阻止する 73
オセロゲームをくつがえす勇気 75
いじめかいじめではないかを見分けるテスト 85
第二章 不登校・保健室登校の生徒に対してどうすればいいか
(一)不登校の生徒は「透明人間」なのか 92
保健室登校の生徒は、怠け者ではない 92
学校では保健室登校の生徒にもっと気配り・目配りを 93
生徒に合わせた処方箋を書くのがプロ教師の仕事ではないのか? 94
不登校の生徒は、スプーン一杯の思いやりでも心に響く 96
(二)不登校は家庭と学校の連携がないと治らない 98
チームとしての家庭・チームとしての学校 98
専門機関とも連携が必要 100
(三)不登校の子どもに「お前が生きていてくれるだけで嬉しい」と言えるか 102
家庭での居場所を取り上げないようにしましょう 102
ガス欠型不登校・子どもの居場所が家庭にない型不登校 104
(四)学校に一度、とことん話し合いをしてもらう 109
不登校丸の航海図を示してもらう 109
障がい児についても、話し合いをもってもらう 110
第三章 学級崩壊は、冷たい暴力
ていのいい「教師いじめ」に加担するのを止めましょう 114
児童・生徒が学級崩壊を起こすのを阻止する「事あれ」主義 117
学級崩壊のリーダーを使う「監督原理」「分析原理」「正当化原理」 118
第四章 困った先生たち
(一)オレ流のルールが多い先生 126
(二)学校の規則に生徒たちをやみくもに従わせようとする先生 128
(三)生徒に成果をあげさせて自らの手柄にする先生(体罰や言葉の暴力)(部活動の顧問) 130
熱心な先生と、自己中な先生との区別の仕方 130
自己中な先生に対抗するには 133
“北風”の指導と“太陽”の指導 134
部活動顧問の部活私物化を許すな 136
部活にも民主化の波を 137
教師が本気で部活動をしているときは、全面協力か、その部活を去るかの二択になる 139
(四)放任主義の先生 140
友だちとのトラブルを「子ども同士のことだから」と放置しては良くない 140
(五)ひいきする先生 142
教師による言葉の暴力 143
(六)なかったことにする先生 148
先生、ウソをつかないで 148
学校のコンビニ化 150
(七)いちいち言いつける先生 151
(八)セクハラ先生 153
(九)お嬢様先生 155
教師による職員室内・室外いじめ 157
お嬢様の五タイプと対処法 160
(十)成績至上主義の先生 163
宿題をするのは、そんなに「絶対」なのか 163
日本の「登山方式」とフィンランドの「塗り絵方式」 164
ニートの生じたわけ 167
学歴について 168
フィンランドの教育改革 170
頑張っている日本の教師たち(でも、座標軸がブレている) 174
「庭園型」教育への転換は無理なのか 176
第五章 学校はなぜ問題を隠すのか
(一)転換期に来た学校 184
「だるまさんが転んだ」をする教師たち 184
子どもたちに踏み絵をさせないように 185
(二)学校の事なかれ主義の背景的考え方 186
人格者は学校・学級を治めるという間違った思い込み 187
事なかれ主義から方向転換するべき 190
生徒のばば抜き(ジョーカー化)を止めさせよう 191
(三)庭園型学校教育への転換と大学の「入り口」と「出口」の改善 193
解 説/グローバルな教育論を語る人 青木多寿子 198
あとがき 202
表紙画/遠藤幹子