高炯烈(コヒョンヨル)詩集 韓成禮/訳
『長詩 リトルボーイ』
1945年8月6日、広島になぜリトルボーイが投下されたか。高炯烈氏は日韓被爆者たちの歴史を辿り、死者の魂を無限に慰霊し、その悲劇を語り継ぐ。原爆詩に新たな可能性を切り拓いた長編叙事詩。
帯文より
A5判/220頁/ソフトカバー |
定価:2,160円(税込) |
発売:2006年8月6日
【目次】
日本語版序文/高炯烈
訳者の言葉/韓成禮
序詩 エスキモーの詩
序章
第一章
第二章
第三章
第四章
第五章
終焉
エピローグ
草の葉
韓国語版あとがき/高炯烈
年譜
日本語版解説
『長詩 リトルボーイ』を読んで/浜田知章
胸を打つ詩人の啓示/石川逸子
ある韓国人被爆者の遺言を継いでゆきたい/御庄博実
発行者編註/鈴木比佐雄
【詩篇紹介】
草の葉
遠く海に草の葉一枚が流れている。
あの草の葉の上に私たちを皆載せることができるか。
善良なすべての命ある目は眺める。
どうして私たちはこの海におぼれてしまったのか。
葉脈が一つも壊れていない草の葉一枚だけ
あの水平線近くに切なく流れている。
あなたは私たちに近付こうとされないのか。
険しい黒い雲が海を越えて吹いて来る。