松尾静子詩集
『夏空』
諫早、長崎、……歳月の空に、濃密なものがたちのぼる。人と人の心のひだに結ばれた声が静かに響く。情景のあわいに薫る詩情は生きてきた証だ。切実なものをさわやかに届ける第一詩集。(詩人・編集者 佐相憲一)
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四六判/128頁/上製本 ISBN978-4-86435-101-0 C1092 ¥1500E |
定価:1,620円(税込) |
発売:2013年3月6日
【目次】
序詩 四 月
一章 「夏空」
木洩れ日
リュウの目
夏 空
晩夏Ⅰ
書を書く女
写真展(諫早水害)にて
レコード
カーテン
陽だまり
消された文字
火 鉢
芍 薬
祖父桜
母 よ
つゆ草
辻が花
二章 「少年」
少 年
残されたもの
潮干狩り
息子へ
蜥 蜴
青 年
ボヘミアン
芝 生
君 へ
三章 「青い鳥」
三 月
山 吹
春 宵
早 春―ある休日
若い友
風の中で
青い鳥
蛇
埠 頭
晩夏Ⅱ
晩 秋
俵屋宗達 月秋草
凍土からの風
孤 影
暖 炉
茶 碗
騎馬民族
あとがき
略歴
詩篇
「夏 空」
ねえお父さん
もっと青かったよね
青く深い空が
どこまでも広がって
真っ白な入道雲が
山際から
湧き上がり
輝いていたよね
リボンが
一人ひとり違う
麦藁帽子を被り
手を繋いで
海水浴へ
行ったよね
悲しみを
なぞることはもうしない
見失ってきたものを
問うことも
夏の青空が
あなたにもきっと