芳賀稔幸詩集
『広野原まで―もう止まらなくなった原発―』
「無いように見えても/見えないから/あるに違いないのだ」
ある日、私たちは抱えきれない悲しみと怒りとを抱え込んでしまった。
芳賀稔幸詩集『広野原まで』は3・11核災の紙碑となることでしょう。
(帯文:若松丈太郎・詩人)
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栞解説:鈴木比佐雄 |
A5判/136頁/上製本 ISBN978-4-86435-081-5 C1092 ¥2000E |
定価:2,200円(税込) |
発売:2012年10月29日
【目次】
一章 だれもいないけど?
だれもいないけど?
神さまへ
もう止まらなくなった原発
自衛隊の給水を受けながら
金環蝕
月 蝕
噛み切ったリード
二章 広野原まで
広野原まで
青ランプ
かこう
むかえび
ストリートビュー
フィールド
三章 まいご
まいご
教科書
ランドセル
坊の神さま
落 葉
プリンアラモード
回転寿司
四章 自責の行方
自責の行方
オスプレイ
震災による設備の被災に加えて
年間20mSv「まで」の現実
原発被災地は福島なのに。
伝言してくれ
あとがき
初出一覧
略歴
詩篇
「だれもいないけど?」
死ぬかも知れない
公園の滑り台に上ってみる
だれもいない
家がアニメのような形で左右上下に揺れ
京壁が剥がれ落ち
額縁が可笑しくなるほど傾き
外壁を容赦なく亀裂が走り
地面を振動が走り抜ける度に
どこを向いても電柱が倒れて来そうだ
もうどこにも逃場はない
だれかと
だれとでもいい
話がしたい
普段はあんなにいたはずなのに
だれも約束守っていないんだな!
揺れが静まるまで待ったけど
だれもいなくなった
真っ暗な夜をさ迷う