「北の俳人」「北の歌人」をここまで集中的に論じた類書は、いまだかつてなかったのではないかと思われる。岩手文学史は、本書によって間違いなく一歩も二歩も前進したのであり、後世において「最終の審判」が下される、その前に、すぐさま高い評価を受けるであろうことを確信している。
復本一郎 序文より(神奈川大学名誉教授・「鬼」代表)
解説:鈴木比佐雄 |
四六判/608頁/ソフトカバー ISBN978-4-86435-047-1 C1095 ¥2000E |
定価:2,160円(税込) |
発売:2012年6月25日
【目次】
【序文】凄い!の一言 復本一郎
一章 鬼古里の賦
神楽、その信仰とエクスタシーの系譜
物語の復権
鬼古里たより
賢治絶唱
あの日の西行
木守柿
佐伯郁郎 ― 人首文庫の里
弱ったときの「詩定席」
反デラシネの志 ― 追悼・三好京三
平和を愛する俳句王国いわて
五百号との対話
晴れ、ときどき俳人
仲間の風土 ― 中津川右岸
現代俳句渉猟(1) 俳句の曠野を往く
現代俳句渉猟(2) 俳句の虚空に遊ぶ
現代俳句渉猟(3) 幻想としての国民文芸
現代俳句渉猟(4) 「詩・歌・句」への接近
現代俳句渉猟(5) 「批評家魂」ということ
現代俳句渉猟(6) 文学としての俳句
現代俳句渉猟(7) 「さび」の今昔
現代俳句渉猟(8) 佐藤鬼房展を仙台で ―
現代俳句渉猟(9) 私を元気にする俳句
現代俳句渉猟(10) 俳句は物語だ
現代俳句渉猟(11) 「悪党芭蕉」の品格
現代俳句渉猟(12) 俳句の指針
二章 「北の俳人列伝」ほか
「北の俳人列伝」(1) 北のひとつ星 ― 山崎和賀流論
「北の俳人列伝」(2) 草炎の人 ― 田村了咲論
「北の俳人列伝」(3) 風土の幻影 ― 山口青邨試論
「北の俳人列伝」(4) 虚構の花火師 ― 遠藤梧逸論
「北の俳人列伝」(5) 鬼のように童女のように ― 昆ふさ子論
「北の俳人列伝」(6) 哄笑の残響 ― 小菅白藤論
「北の俳人列伝」(7) 挑発のダンディズム ― 宮慶一郎論
「北の俳人列伝」(8) 無心の寓意 ― 木附沢麦青論
「北の俳人列伝」(9) 風狂の情景 ― 小原啄葉論
「北の俳人列伝」(10) 父情の山河 ― 工藤節朗論
「北の俳人列伝」(11) 楽天家の系譜 ― 太田土男論
「北の俳人列伝」(12) 白い影 ― 堀米秋良論
講演録 ― 梧逸・芭蕉・西行
極楽俳句の復権 ― 虚子・風生・梧逸・青児
静塔俳句に弔鐘を ― 平畑静塔論
開かれた魂の地図 ― 角川春樹論
三章 「北の歌人列伝」ほか
「北の歌人列伝」(1) 柏崎驍二論 ― 歌に創られる一生
「北の歌人列伝」(2) 小笠原和幸論 ― 純白の闇
「北の歌人列伝」(3) 田江岑子論① ― 恋の絶対野
田江岑子論② ― 合わせ鏡の肖像
援 軍
こころの虹
日本語族
夕影の華やぎ ― 歌集『白芙蓉』管見
四章 【対談】「俳句の未来」― 白濱一羊vs.川村杳平
作品の中にみえるもの/恋が詩心を高める/俳句の幅をつくるもの/俳句の諧謔・俳句と文学
若者よ句会に行こう/俳句を通して自らを知る/震災を詠む
解説 「敗れざる者」たちを物語る人 鈴木比佐雄
索 引
初出一覧
後 記
略 歴