コールサックシリーズ

アンソロジー

アンソロジー詩集
『原爆詩一八一人集』

ついに 原子バクダンがさくれつしたのだ───
川の水で しじゅう冷していなければならないほど
多量の熱が 発生していた
人間が 近よれば
すぐ死んでしまうほど
多量の放射線が 発生していた湯川 秀樹(帯文より)

解説文:石川 逸子、長谷川龍生、鈴木比佐雄
A5サイズ、304頁、ソフトカバー
定価:2,200円(税込)

解説文はこちら

アンソロジー詩集『原爆詩一八一人集』

発売:2007年8月6日



【目次】

序文  「核」と人間との対峙を 御庄博実……12
1945~59年

峠 三吉 『原爆詩集』の序……16
      仮帯所にて……16
      微 笑……17
栗原貞子 生ましめん哉 ―原子爆弾秘話― ……18
原 民喜 原爆小景……19
大原三八雄 茶わん……23
福田須磨子 忌まわしき思い出の日に……24
         原爆のうた……25
大平数子 慟 哭……26
小倉豊文 紙の墓 ―亡き妻に― ……26
湯川秀樹 原子と人間……28
御庄博実 原子の歌 「盲目の秋」より ……30
嵯峨信之 ヒロシマ神話……34
白鳥省吾 ボロボロの神……35
永瀬清子 滅亡軌道……36
        廃墟はまだ冷えていない……37
長谷川龍生 追う者……38
浜田知章 太陽を射たもの……40
木島 始 起 点 ―一九四五年― ……40
木下夕爾 火の記憶――広島原爆忌に際し―― ……45
        長い不在……45
深川宗俊 冴えた眼から……46
堀ひろじ 小止みなく雨が……47
真壁 仁 みどり幼く……48
米田栄作 川よ とわに美しく……50
       八月六日の砂……51
長津功三良 広島にて 二篇……52
小野十三郎 原爆十周年に……53
大木惇夫 ヒロシマの歌……54
井上究一郎 樹木のない街はさびしい
         ――広島(一九四七―四九)……56
イリヤー・エレンブールク 長崎の雨……57
ナーズム・ヒクメット 死んだ女の子……58

  1960~69年

犬塚昭夫 冬――胎内被爆者の手記……60
大原三八雄 破 誡……61
岡 隆夫 太田川……62
さかもと ひさし 冬の眼球……64
田中喜四郎 憤 怒……66
風山瑕生 ヒロシマはわがもの……68
深川宗俊 小さな骨……69
堀ひろじ 凍てつく大地に……70
 
  1970~79年

諫川正臣 コスモスの花……72
伊藤勝行 水 牢 ――久しぶりに写真の整理をした ……73
石川逸子 ヒロシマ連祷 41……74
        ヒロシマ連祷 42……75
上滝望観 ハイビスカス物語……76
金丸桝一 一枚の服……77
北畠 隆 僕は広島の旅人だけど……78
栗原貞子 ヒロシマというとき……79
四国五郎 かたまり……80
ジャック・ゴーシュロン ヒロシマの星のもとに……81
津田定雄 ヒロシマにかける虹……85
山田かん ロスアラモス……86
        地点通過……87

  1980~89年

葵生川 玲 傘のある私信……90
有馬 敲 ヒロシマの鳩……91
伊藤眞理子 たずねびと ―昭和の聞き書― ……92
         名 簿……93
伊藤瑞子 八月の空に……94
入江昭三 かんざし……95
石村柳三 春の風 〈昭和四八年初春・広島市平和公園を訪れて〉……96
金丸桝一 みんなもういちど新しいのだ……98
桜井さざえ 閃 光……99
近野十志夫 園井恵子の広島 
         ――あるタカラジェンヌの死まで……100
趙 南哲 座布団……104
       炭……105
新川和江 ヒロシマの水……106
中 正敏 空の鍵……107
       石……107
鳴海英吉 被 爆……108
西岡光秋 その朝……110
        苦い記憶……110
吉田美和子 小さな風……111

  1990~99年

うおずみ千尋 八月 しぐれ ―被爆五○周年に―……114
大井康暢 ビキニ……115
埋田昇二 ヒロシマ
     ―造形 ライトボックス 片瀬和夫「夜に寄せて」……116
高 炯烈 『長詩 リトルボーイ』終 焉……118
      草の葉……119
崔 龍源 はじらい……120
柴田三吉 さかさの木 ―ヒロシマにて……122
        ヒロシマのピアノ……123
下村和子 「こわれもの 注意」……124
       微 香……125
鈴木比佐雄 海を流れる灯籠……126
辻元よしふみ 戦争ってヤツ……127
          みだらな銃口……127
津田てるお コーヒーはブラック……128
豊岡史朗 20世紀……129
中間末雄 五十年目の八月六日……130
芳賀章内 垂らしている……132
浜田知章 弄御子……134
平原比呂子 ボタン……137
福田万里子 危険物埋蔵地……138
松尾静明 さ あ ―アメリカが臨界前核実験をした日に―……139
みもと けいこ フロッタージュ……140
御庄博実 変貌する河辺で僕は……142
柳生じゅん子 形 見……143
よしかわ つねこ ヒロシマ発・他人の街
―死んだ少女の声―(戦争を起こす世界中の政治家たちに)……144

  2000~07年

秋村 宏 海 へ……146
秋山泰則 原爆の痕……147
        戦 死……147
朝倉宏哉 祈 り……148
安藤元雄 夏の花々……149
李 美子 蓮の花……150
飯嶋武太郎 二つの出版記念会……151
池山吉彬 ヨード液色の夜……152
石下典子 六十三年後の夜……153
伊藤眞司 少女二体の人形に ―広島平和資料館にて―……154
伊藤眞理子 秋 望……155
伊藤芳博 世界の終わりに(映画「ヒバクシャ」より)……156
井野口慧子 水蜜桃……157
上田由美子 ガラスのかけら……158
         夾竹桃……159
岩崎和子 母の戦争……160
有働 薫 六歳の夏 広島駅を通った……161
江口 節 朝 顔……162
大掛史子 最初のみどりはスギナだった……163
大崎二郎 笑い 三つ……164
大塚欽一 慰霊祭が終った後で……166
大原勝人 火の中の誓い……167
大山真善美 probablymight(多分 かもしれない) ……168
沖長ルミ子 振り向くと……169
奥 重機 暴虐のあと……170
尾内達也 August……171
片岡 伸 黒い雨……172
加藤 礁 ムルロアの白い波……173
金子以左生 解れぬ……174
川村慶子 恐竜夫妻の小さな近況報告……176
河村信子 ……178
北畑光男 木の魚 丸木美術館にて……179
金 水善 黒い爪(八月六日以後 廣島はヒロシマになった)……180
北村 均 ぶらんこ……182
木村淳子 彼女は黙っていた ―被爆のマリア像によせて……183
草野信子 爪の先まで……184
原りょう 出口はどこだ……185
くにさだ きみ アカイ背をもつ被爆の記録 
           ―広島・長崎・原子爆弾の記録から―……186
くりはら すなを 臨 界……190
           ばくはつはもう終った……190
倉岡俊子 痛 恨……192
黒羽英二 終りの始まり……193
甲田四郎 ゴジラ……194
河野俊一 キャッチボール――非核のねがい……195
腰原哲朗 ミリユウ 花は花でも……196
小島禄琅 ぬくもりと共に哀しさを描くもの……197
酒井 力 白い記憶……198
近藤明理 世界の共通語……200
坂上 清 八月は消滅した
       〈犯罪者は裁かれなくてはならない〉……201
相良蒼生夫 野の草の花・核……202
佐川亜紀 ヒロシマの眼……203
佐相憲一 長 崎……204
真田かずこ 空……205
重光はるみ 見 る……206
島田陽子 あの日 わたしは……207
白河左江子 今 ふつふつと心にたぎるもの……208
杉本知政 義兄の夏……209
図子英雄 沈 黙……210
鈴木茂夫 現実と幻想……211
鈴木比佐雄 相生橋にもたれて……212
鈴木文子 へいわをつくろう……213
瀬野とし 宝蒸し……214
高梨早苗 あの日の空を誰が知っていたか……215
滝 和子 誕生日は……216
竹内美智代 花の顔……217
田中詮三 あの上空 ―目覚める悲歌― ……218
田中眞由美 ひそかに……219
千葉 龍 ヒロシマ・ナガサキの落穂……220
塚本月江 身代わり……221
津坂治男 人百倍……222
遠山信男 詩もまた行動します
        かがやく青い地球のために……223
徳沢愛子 あ・鳩が ―長崎報告―……224
鳥巣郁美 原子力の行方は……225
中 正敏 星ではない……226
       エピック・トピック「余聞」……226
中岡淳一 みどりが滴り……227
長津功三良 八月・そして白刃……228
         歩 く……229
長沼士朗 マグロ塚「第五福竜丸」を忘れない……230
中原澄子 一九四五年八月九日十一時二分・長崎……232
中原道夫 赤い背中 ―それは、魔性と化した長崎の―……234
苗村吉昭 渇 き……235
なんば・みちこ 戦 争……236
西村啓子 祭 典……237
原 圭治 スミソニアンの誤算……238
馬場晴世 八月の道……240
原田勇男 叔母への手紙……241
日高てる 水ヲクダサイ――原爆記念日朗読ノタメニ……242
日高のぼる セミ ――校歌断章……244
扶川 茂 八月のうた ―孫娘に―……246
福谷昭二 ただようもの……247
藤元温子 美しく 核実験に……248
       妹が哭く……249
本多照幸 ポロニウム……250
前原正治 夏の幻想的なメモから……252
増岡敏和 鳴 る……254
御庄博実 童女を抱くあなたと……255
水崎野里子 シンガポールの原爆資料館にて……256
宮崎 清 時間の関節……258
宮本智子 もしも あの……260
村永美和子 電 飾……261
森 哲弥 数値残照……262
森田海径子 壬生発 広島行き……263
柳生じゅん子 菜の花……264
安永圭子 忘れてはいけない……266
楊原泰子 母の悲しみ……267
山佐木 進 声……268
山下静男 戸板の人は……269
山田輝久子 お土産……270
山本 衞 食べなかったお弁当……272
山本聖子 それからの……273
山本倫子 何も知らなかった何も……274
山本十四尾 飛翔 出発……276
結城 文 原爆のことをはじめて聞いた日……277
吉川 仁 告 発……278
       報 告―広島にて……278
横田英子 夾竹桃の花よ……280
吉田博子 あかるいあかるい光の中で……281
吉田義昭 科学狂時代……282
若松丈太郎 死んでしまったおれに
   ジョー・オダネル撮影「焼き場にて、長崎」のために……284

  解説・編者あとがき

解説1 ヒロシマが告げるもの 石川逸子……288
解説2 原子爆弾でも負けんもの、川の水
     ―解説にかえて― 長谷川龍生……292
解説3 「ヒロシマの哲学」に呼応する詩人たち 鈴木比佐雄
     ……295
編者あとがき
  決して風化しない証を世界に 山本十四尾……299
  原爆詩集のことなど 長津功三良……300
   編註……301


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