黒田えみ詩画集
『小さな庭で』
詩人の筆があたたかなタッチで描きだす樹々や草花、そこに生きる命たち。朗読詩三篇を含む三十二篇の詩と六〇点以上の絵を収録したコールサック社初の詩画集。「小さな庭」はやがて海を越え時を超え、大いなる宇宙へと広がってゆく。
四六判/128頁/上製本 |
定価:2,160円(税込) |
発売:2010年6月18日
【目次】
Ⅰ章 小さな庭で
小さな庭で 10
季節はずれの楽曲 14
晴れた日に 16
みそぎ 18
足 音 20
ともだち 22
カラスのおしゃべり 26
暦 30
かくれおに 32
Ⅱ章 池のほとりで
池のほとりで 36
縄文の人 40
桃の木 44
樹 間 48
栗の木 50
微笑の木 52
杉から届く便り 54
巡る歴史 58
大地の語り 60
Ⅲ章 雲の声
雲の声 64
想 66
目をとじて 68
いまはねむっているけれど 70
ドアをあける 72
たましずめ 74
山上の祭礼 76
光の波間に 78
惑星の囚人 80
四十六億年の星へ 84
のぼる 88
Ⅳ章 朗読詩三篇
星のかけらのラブソング 92
宇宙の舞 98
ここは地球 110
あとがき 124
略 歴 126
【詩篇を紹介】
小さな庭で
風の声―銀河系宇宙 百三十七億歳
太陽 四十六億歳
やがて老いて
太陽は百九億歳で消滅
それより先に
地球は死滅
ヒト 節分には歳の数の豆を食べます
立春には神仏に不老不死を祈っています
カラス ヒトは地面を囲います
土も生きものも所有物にしています
ミミズ 土は地球のものです
モグラも草も木もそれを知っています
スズメ 子育ての場所がありません
ヒトに巣を壊されました
チョウ 卵を産む所がありません
殺虫剤で子どもたちは死にました
ハチ ヒトは花粉や蜜を独占します
巣を壊します
ヒト 不老不死の研究をしています
敵が多いので大量殺人兵器をつくります
風の声―誕生 老化 死 消滅
これは万物の運命